こんにちは。Sun*の増田です。
私はSun*に入社するまでの6年間は人材業界で働いており、日本・フィリピン・ベトナムでお客様の採用をお手伝いしておりました。
今回はそんな私のバックグラウンドを活かして、外国籍人材との面接における事前準備と面接のテクニックを共有します。
人口が年々減少している日本では、外国籍人材の採用は必要不可欠です。
そして、採用にあたり避けては通れないのが面接。
「日本人同士で面接をしてもミスマッチが起こるのに、外国籍人材はどのように面接をして正しく理解しミスマッチを防げばいいのか?」
そんなお悩みをお抱えの人事のみなさまにお読みいただきたい内容です。
日本の特殊性を理解する
まず外国籍人材採用にあたり必要なことは日本の文化・価値観・商習慣などが特殊であり、日本以外の国とどう違いがあるのかを理解することが必須です。
例えば、「新卒一括採用」「総合職」は日本独自のシステムです。
欧米を始めアジアでも大学で専攻している分野でインターンをし、経験者として採用されるのが一般的です。
その他にも、仕事や報酬に対する価値観も違い、日本以外の国では与えられた仕事内容が明確に決まっており、その仕事内容に対して報酬が支払われるので、新しい仕事や役割を振ると、給与交渉をしてくるのは当たり前のことです。
また、日本は、基本的に日本人のみで構成された単一民族国家と呼ばれる国ですが、アメリカやマレーシアなどでは様々な民族が国内にいる多民族国家です。
この2つの国家でコミュニケーションに対しての異なる文化があることはご存知でしょうか。
日本のような単一民族国家はハイコンテクスト文化を持っています。
*コンテクストとは「文脈・背景」といった意味であり、ハイコンテクストとは同じ言語、文脈、背景を多く共有している文化のことです。
いわゆる『空気を読む』もハイコンテクストだからこそできることです。
これに対し、多民族国家はローコンテンクスト文化を持っています。
ハイコンテクスト文化を持つ社会では主語・文脈・背景などの説明を省いてコミュニケーションが行われるので、文脈や背景を知らない方(=外国人)にとっては話を正しく理解することは非常に困難です。
また、多民族国家では様々な背景を持った人々と一緒に働くのが前提なので、話が伝わらなかった場合の責任は「話し手」にあるのに対し、ハイコンテクスト文化では「聞き手」の責任となります。
「言った通りに動かない」「伝えたのに理解してない」はハイコンテクスト文化ならではの悩みです。
こちらはほんの一例ですが、一緒に働いていく上では相互理解が欠かせません。
相互理解のためにもまずは違いを理解することが大切です。
ぜひ下記の本がとても参考に読んでみてください。
「異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 - エリン・メイヤー」
採用ターゲットと判断基準の言語
これは外国籍人材に絞った話ではないですが、採用ターゲットと判断基準を明確にし、きちんと言語化していくことは採用においてとても重要です。
今まで3カ国で様々な企業様の採用をお手伝いしてきましたが、採用ターゲットと判断基準が言語化されていない企業様は多いです。
御社ではしっかりと採用ターゲットと判断基準が言語化されているでしょうか?
きちんと言語化されていないと面接の結果は面接者の主観で判断されます。
組織として採用力を高くするためには、採用に携わる全ての方が同じ採用ターゲットと判断基準を共有することが必要です。
例えば弊社では、採用の判断基準はポジションによって異なりますが、6カテゴリー/21項目を設定しております。
また、面接で聞く質問もフォーマットにまとめています。
決められた質問を聞くことにより、候補者様の傾向がわかり安いですし、誰が面接をしても評価が大幅にぶれることはありません。
また、外国籍人材採用の際の採用ターゲット設定で気をつけておくべきことは、日本人と全く同じ役割を求めないこととです。
そもそも日本語をネイティブレベルで使える方は少ないですし、日本に住んだことがない方にとって日本人の特殊な文化や価値観を理解することは難しいです。
日本人と同じ仕事を任せたとしても、言葉の壁や価値観の違いから成果が思うように上がらないことは多く、国籍によって得意な分野と苦手な分野も様々です。
例えば、ITエンジニアですと、日本人の場合は詳細な計画を立ててそれ通りに実行していくことは得意ですが、その分、開発のスピードは遅くなります。
一方ベトナム人の場合は、計画はある程度大枠だけ立てて、手を動かしながらとりあえず機能するものをつくることが得意です。そのため開発スピードが早いですが、計画を緻密に立てることは苦手です。
このように、国籍によっても傾向は違いますし、もちろん人によっても得手不得手は異なります。
インターネットでリアルタイムで世界と繋がった変化が早い現代で勝ち残るためには、多様性がある組織やチームが必要です。
多様性があるグローバルな組織を作るためにも、日本人が苦手とする役割を任せられるような人材を採用ターゲットに設定しましょう。
求人票を充実させる
求人票は候補者様が選考を受けるかどうかを判断する大事な資料であり、企業様の履歴書やエントリーシートです。
選考を受ける前に必ず候補者様は求人票をみるので、この時点でいかに候補者様の志望度を上げて選考に進められるかは採用力に直結します。
また、日本語のレベルが未熟な外国籍人材でも時間をかければ、記載してある日本語を理解することは可能です。
必要最低限の内容だけでなく、できる限り詳しく記載すること、
さらに候補者様に働いているイメージを沸かせられるような情報を、可能な限り記載することが大切です。
ただし、注意点もあります。
「1. 日本の特殊性を理解する」でもお伝えしましたが、総合職という職種は世界を見渡しても日本だけです。
総合職という職種では、職務内容(Job Description)の細かい記載は必要ありません。
しかし、外国籍人材にとっては、職務内容に載っていない仕事は自分の仕事の範囲ではないと考えます。
なので求人票に職務内容を詳細に記載しておかないと、「この仕事は私の仕事ではありません」と仕事を断られたり、「入社したらやりたい仕事と違った」と早期退職に繋がるケースもあります。
口頭で言った言わないのミスコミュニケーションやトラブルを事前に防ぐためにも、求人票に職務内容の詳細はマストで記載しておきましょう。
では、実際どこまで充実させればいいのか?という疑問もあると思うので、参考までに弊社ホームページとWantedlyの求人ページを共有します。
気になる方は一つの参考までにどのような情報が記載してあるのか参考にしてください。
事前に会社資料と質問を候補者に共有する
最後に、外国籍人材と面接する上でどうしても壁になるのが言語です。
これはすぐに超えられるものではありません。
事前に目を通しておいて欲しい会社資料などは、事前に共有しておきましょう。
また、基本的な質問だけでもいいので、こちらも共有しておくと効率の良い面接が可能です。
日本語レベルが高くない候補者との面接でも、最低限の質問の回答を得られますし、候補者がどれほど準備してくるかを見ることも可能です。
外国籍人材が日本で働くうえで、来日したばかりの慣れない時期に準備することは、どんな仕事でも必要不可欠です。
日本人にも同じことが言えますが、言葉の壁がある外国籍人材は尚更です。
限られた時間で正しい判断ができるように、事前に可能な限り準備をして面接に臨みましょう。
終わりに
Part 1の事前準備編はいかがでしたでしょうか?
こちらの記事が少しでもお役に立ったら嬉しいです。
Part2では面接で実際に使えるテクニックを共有したいと思います。ぜひそちらもあわせてご確認ください!
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