こんにちは!GEUの増田です。
今回は日本語が話せるベトナム人エンジニアを初めて面接する方に向けた、面接での評価基準と採用基準のポイントについての内容です。
多くのベトナム人エンジニアやブリッジシステムエンジニアの採用を行っている弊社のポイントをまとめました。
初めてベトナム人エンジニアと面接をされる方は「日本人と同じように評価していいの?」「採用基準は別途設けた方がいいの?」などわからないことが多く不安かと思います。今回の記事が少しでも皆さんの不安を取り除ければ幸いです。
外国人を面接する際の注意点
まずはじめに外国人を面接する際の注意点についておさらいしておきましょう。
外国人を面接する上で一番難しいのが「日本語でのコミュニケーション」です。
日本で働くためには日本語を習得しなければいけないので、面接にくる外国人であれば日本語がある程度話せます。ただ、日本語は他の言語と比べても習得が難しい言語です。いくら勉強をして日本語検定で高い資格を持っていようと、日本人とのリアルな会話に慣れていない限りは日本語で意思疎通を図るのは難しく、ましてや面接のような緊張する場面では尚更困難です。
また、日本語以外で難しいのが考え方や価値観の違いです。ベトナムは日本のように宗教による強い縛りは少なく、考え方や価値観も比較的似ており、勤勉な方も多いのであまり気にしなくても大丈夫です。しかし、地域が異なる他の国々では日本とは文化的な背景や生活環境も大きく異なり、考えた方や価値観は日本人と異なる部分が多いです。初めて外国人を面接をする方はその違いに驚くかもしれませんが、どちらかというと日本人の考え方の方が世界の大多数の考え方からズレていることの方が多いです(新卒一括採用、総合職採用、終身雇用、年功序列など)。
面接を円滑に進めるためのヒント
日本語でのコミュニケーションに関しては、お互いのミスコミュニケーションを防ぐために会話だけに頼るのではなく、予め簡単な日本語で作成した質問シートを利用するなどして面接を進めましょう。
少し話はずれますが、面接で上手く会話ができないと日本語力を懸念して不合格にしてしまうケースが多々見られますが、日本語力は日本で働いていくうちに着実に上達していく方がほとんどです。面接時の日本語力だけで判断するのではなく、今までにどれだけ勉強や仕事に対して努力してきたか、入社後も日本語を継続的に勉強する意志があるかを含めて判断しましょう。
考え方や価値観の違いについては、事前に日本の特殊性と海外との違いを知っておけば大丈夫です。以前別の記事でもおすすめさせていただいた「異文化理解力」(エリン・メイヤー)が理解の役に立つと思います。いかに日本人が特殊な環境で育ち、他の国と比べて異なっているかを理解することができます。
ベトナム人エンジニアとの面接での評価基準と採用基準のポイント
続いて、今回の記事の本題である、ベトナム人エンジニアとの面接での評価基準についてです。
「ベトナム人エンジニアとの面接での」との前置きを置かせていただきましたが、国籍関係なく多くの点で評価基準のポイントは重複しますので、最初に国籍関係なく面接での評価基準において一番大切なポイントをお伝えします。
それは、「明確な基準を元に数値をつけて評価をする」ことです。
これが簡単に見えて実は非常に難しいです。実際に多くの現場では「言語化はできないが、なんとなくいい候補者だと思う」という感覚で選考を通しているのではないでしょうか。
感覚で評価してしまうと、面接官によって評価軸や感じ方が異なるので評価に偏りが出ますし、相性の問題もあるので採用の質を一定に保つことができません。また、採用をデータで振り返ることもできないので採用を分析し改善することができません。
組織的に採用を強くしていくためには、組織として明確な基準をもち、数値をつけて判断していくことが必要です。
次に、弊社が実際に使用している評価項目と基準、具体的な質問の方法も共有します。
下記の項目それぞれに5点満点中の点数をつけて評価します。
点数の付け方ですが、自社の平均的な社員と同じレベルであれば3点をつけます。
全ての項目の点数を足して、項目数で割り、その数値が3以上であれば選考を進めることにしています。
評価項目と基準
- ITスキルと知識
項目 | 具体的な質問方法 |
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ITスキルと知識の幅広さ | 今まで行ってきたプロジェクトの分野、勤めてきた役割の広さ、開発言語の種類、開発内容の幅について質問します。 まずはどの程度の幅のITスキルと知識があるかを確認します。 |
ITスキルと知識の深さ | 幅広さを聞いた後に、それぞれの分野でのITスキルと知識の深さがどの程度あるのか深掘りながら質問します。 ここの二つの質問は非エンジニアの人事の方は難しいのでエンジニアを面接に入れて判断していただきましょう。 |
- 能力
項目 | 具体的な質問方法 |
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マネジメントスキル | 主にタスクの見積もりを適切に認識できるか、万が一スケジュールの変更があったときに、優先度や締切を考慮 しながらタスクの入れ替えをできるかなどを質問します。 |
問題解決能力 | 以前参加したプロジェクトで問題が起きた時に、自ら自発的に改善策を考えて提案したことがあるか質問します。 気をつけておくべきことは、上から言われて実施した問題解決の方法ではなく、自発的に問題解決をした方法を聞きましょう。 また、解決策が実際に利用できるリソースを考慮していたか、そして実際に実行し結果がどうなったかまで確認します。 |
論理的思考能力 | 論理的思考をみる問題を出題し、それに回答してもらうことで論理的思考能力を判断します。 口頭での出題は難しいので、問題は紙に書いて答えさせます。 演繹法や帰納法などの論理的思考方法をイメージして、実際の業務で使うような論理的思考を測れる問題を出しましょう。 |
- マインドセット
項目 | 具体的な質問方法 |
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自主性 | これは直接質問する項目ではなく、会話の中で過去の行動や思考が受動的か能動的かを判断します。 能動的である分、自主性があるとして評価を上げます。 |
コミットメント | こちらも直接質問してもわからない項目なので、勤続年数や前職の退職理由などからどのくらい前職でコミットメ ントしていたかで判断します。 1社の継続勤務期間があまりに短い場合や退職理由が適切でないと思える場合は会社に対してのコミットメントが低 い可能性が高いので気をつけましょう。 |
キャリアパス | 3年後にどんな仕事をしていたいか?という質問をします。 思い描いている仕事がどの程度自社で叶えられるのかで判断します。 あまりにも現実的でない場合は、入社後のミスマッチで早期退職のケースが多くなりますし、目標があまりにも低 い場合は成長意欲が低いと判断できるため、気をつけましょう。 長く働いてもらうためにも、自社で候補者のやりたい仕事が実現できるかは事前にすり合わせておきましょう。 |
- コミュニケーション
項目 | 具体的な質問方法 |
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日本語での説明能力 | この項目も直接質問をしてもわからないので、面接全体を通して評価します。 適切な言葉を使い、簡潔で論理的に日本語で説明できるかをみます。 日本語の語彙をたくさん覚えており流暢に会話ができても説明能力が低い場合は仕事のシーンでコミュニケーションコストが大きくなるために、会話力と説明能力を分けて評価しています。 |
日本語会話力 | この項目は最初のアイスブレイクなど雑談の時に評価します。日本語の語彙の豊富さや日本語を流暢に話せるか、単純な日本語力を評価します。 |
日本語ライティング力 | 面接ではわからないので、履歴書から評価します。説明の書き方や言葉の選び方などを見ます。 |
- その他
項目 | 具体的な質問方法 |
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日本企業や日本人と働く ことに慣れているか | 「日本人と働いていて日本人って変だなと思ったことはありますか?」という質問をします。 反応次第でどの程度日本人と働いた経験があるかを見ます。 長く働いた経験がある人は、日本人の傾向を回答しつつも日本人という大きな括りをせずに、人それぞれだという回答をすることが多いです。 日本人と働いた経験が少ない人は「帰るのが遅い」「家族よりも仕事を優先」するなど日本人のよく知れたイメージを回答する傾向があります。 |
潜在能力 | こちらの項目も面接の全体を通して評価します。話をしている中で、理解が早い、経験がないのにできる、などの何か光る潜在能力を持っている場合は評価を上げます。 どのくらいアンテナをはって仕事・生活をしているかも見ます。 |
日本人とベトナム人で共通する項目が多いですが、大きな違いは日本語力が含まれる「コミュニケーション」とその他の「日本企業や日本人と働くことに慣れているか」です。
コミュニケーションに関しては、説明能力と会話力を分けていることがポイントです。
というのも、日本語力が高く日常会話であれば流暢にできる方でも、仕事の場面で簡潔に正しい言葉で説明ができるかはわかりません。
また、「日本企業と一緒に働くスキル」に関しては、既に日系企業や日本で働いている方であれば日本人の特殊な商習慣やコミュニケーションを知っています。これを知っているか知っていないかで入社後の活躍までのスピードは大きく異なりますし、離職率にも響きますので、面接の段階で確認しておきましょう。
採用基準
採用基準については評価基準をしっかり定めていれば簡単です。
5点満点で全ての項目に数値をつけ、全ての項目を足して項目数で割ることで平均値を出せます。
前述しましたが弊社の場合は社内の平均レベルだと思うエンジニアの評価の3としています。
評価が3であれば社内の平均的なエンジニアと比べて可もなく不可もない、という評価になります。
ですので、3以上であれば採用基準を満たしていると判断し、面接を通します。面接した全ての方から3以上の点数を獲得できれば採用となります。
また、評価について一点アドバイスをしておくと、前提として自分の感覚は信じない方が良いです。
人は初対面で会ったときの数秒で相手の第一印象が決まってしまうと言われており、その第一印象の半分は見た目や表情で決まると言われております。
このことを知らずにそのまま面接をしてしまうと、自分の最初の印象や評価を裏付けるための面接になってしまうため、評価が人によって偏ってしまいます。
しっかりと評価項目に合わせて質問し、評価の理由も明確にした上で可能な限り客観的に評価をしましょう。
終わりに
今回は評価基準と採用基準についてのポイントをお伝えしました。
少しでもこれからベトナム人エンジニアを面接する方のお役に立てれば幸いです。
また、オンライン面接のポイントについても他の記事でまとめておりますので、興味あればこちらもご覧ください。
今回もご覧いただきありがとうございました!
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それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)