はじめに
Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の茂木です。今回もご覧いただき、ありがとうございます!
“優秀な学生がそろうxseedsの中で、ポテンシャルの高さだけでなく努力する姿勢を忘れない、トップ大学の中のさらにトップ層の学生”。それが私たち独自の奨学金制度。今回は、そのSun*スカラシップ選考について、Sun*側の狙いや想いについてお伝えしたいと思います。
前回の記事では学生側からのスカラシップについてお伝えしました。
奨学金を受けることができるスカラシップに合格するには相当な努力が必要です。今回は、
- スカラシップ選考会はどんな内容?
- スカラシップの合格者ってどのくらい優秀なの?
- そもそもなぜスカラシップ制度を始めたの?
などについて詳しくお伝えしたいと思います。また、このスカラシップ制度の担当者にもお話を聞いてまいりました。是非最後までお読みください!
スカラシップ制度について
スカラシップの目的とは?
スカラシップの主な目的は以下の二つです。
- xseedsプログラムに関わっている学生に対して、学生本来の学業に専念させるために合格者には奨学金を支給する。
- スカラシップ合格者には、Sun*が特別授業や活動を実施し、ITおよび日本語のより一層の向上を目指し、xseeds Hubの機会を最大限生かせるようにする。
ベトナムの大学生には、親に金銭的な迷惑をかけたくないという理由で、学費の一部などを本人が負担しようと学業の時間を削ってアルバイトをしている学生が多くいます。
そういった学生に対して、学生が本来の学業に励めるように奨学金制度を作りました!また、奨学金に合わせて、スカラシップ生に対してもっと勉学に励みたいという学生向けに様々なサポートも用意しました。
スカラシップを合格した学生のメリット
Sun*のスカラシップに合格すると以下の特典を受けることができます。
- 希望があれば、Sun*JPに入社することができる(※)
- 奨学金がもらえる
- 日本語会話練習の授業や面接練習などに優先的に参加できる
- Sun*のラボでITトレーニング授業参加できる
※スカラシップ合格後、6ヶ月以内に入社意志を示すことで無条件でSun*JPに入社することができる。
奨学金については、
- スカラシップ合格した翌月から毎月支給されるもの定額支給のもの
- 研修コースの修了や資格合格時に支給されるもの
- 日本の渡日直前に渡日準備金として支給されるもの
といくつかに分かれています。
選考の概要
まず、スカラシップ選考会は毎年7月、8月にxseeds対象の2年生(9月から新3年生)に行なわれます。
参加条件は以下の二つです。
- 在籍している大学のスカラシップ参加時までのGPA平均が3.0以上
- 日本語能力N3相当以上
xseeds事業で行っている日本語の授業では2学年修了時の履修内容はN4相当のレベルとなるので、日頃から勉学に一生懸命な学生が対象になるということになります。
もともととても優秀なxseeds Hubの学生ですが、それでも参加条件を満たすのは一定数に限られてしまいます。参加条件だけでもすでにハードルが高いことがわかります。
選考の流れは?
参加希望から合格までの流れでは、教育チームや研究開発チーム(以下、R&Dと呼ぶ)のスタッフが総動員し、
①論述課題②技術課題③面接という3つのステップで行なわれます。
項目 | 実施者 (チーム) | 備考 |
1‐1.論述課題 | 実践IT講師 | 日本語の文書の課題を提示し、それに対する要約と意見を論述提示する。 |
1‐2.技術課題 | R&D | 成果物の課題を提示し、それに対する技術力を確認する。 |
2.面接 | 日本人IT講師、TC | 上記の課題に合格した学生が面接に進む。日本語力、論理的思考力、マインドを確認する。 |
それぞれについて、もう少し詳しく説明をします。
1.論述課題
今年の課題は以下のようになっていました。
「DX白書2023」の第5部DX実現に向けたITシステム開発手法と技術(p.76~p.103)をもちろん日本語で読解し、「DX実現に向けてデータの利活用が重要しされているが、 同時に課題も多く発生している。“対象ページ“にある「データ利活用の状況と課題」を要約し、この課題を解決するために、どんな取り組みが考えられるかを根拠とともに説明しなさい。」
学生にとっては、このレベルの日本語の文書を読むだけでも一苦労でありながら、さらに文書内に書かれていない根拠までを論述するとなると、この文書以外にも相当に調査が必要になること、それが求められていることが容易に想像できます。
2.技術課題
技術課題は、「今までで一番工夫したプロジェクトを提出する。」というものでした。
アプリケーションの種類は問わず、また、個人・グループ・大学・インターン・趣味などで作ったものでも問題ありません。ただし、グループで作ったものよりも個人で作ったものの方が加点されるなどの決まりがあります。
さらに以下の項目の説明も必要になります。
- プロジェクトの簡単な紹介(プロジェクト名、主な機能)
- そのプロジェクトを作り始めた背景(なぜそのプロジェクトを作り始めたのか、なぜそのような話題・内容を選んだのか)
- プロジェクト開発期間(いつ、どのぐらい)
- プロジェクト開発プロセスにおける自分の役割 (個人かグループのプロジェクトなのか、チームの場合、自分の役割は何だか、趣味のプロジェクトか、大学のプロジェクトか、インターン先のプロジェクトなのか)
- プロジェクトの機能(詳細説明とデモ画像がある)
- 技術上の拘り (どのテクノロジーが使用されていたのか、こだわりは何なのか、どこに苦労していたのか、どこに工夫していたのか)
- プロジェクトのビルド/実行/デプロイ方法に関する説明
- プロジェクト及び自分の技術力をアピールできると思う内容を自由に記載
日本の大学生で考えてみても、この課題をクリアできる学生はいるのかという、相当にレベルの高い課題であることが分かります。この課題をクリアして面接に進む学生が何名もいるのが本当に驚きです。
この2つの課題を10日間かけて行います。
面接
上記2つの課題を通過した学生が面接に進みます。
面接では日本人IT講師が、「日本のIT会社で働いたことがある経験者」として、日本で必要なコミュニケーション能力とマインドの確認をします。そしてTCが学生をサポートしているチームとして、xseeds Hubに参加する企業で内定が取れそうかどうかの確認を行います。
面接での具体的な内容はこのようになっています。
内容 | 実施者 | 時間(分) | 評価内容 | 評価者のポイント |
論述課題 プレゼンテーション | 学生 | 10 | ・日本語・論理的会話 | ・学生のSCP情報は事前に確認しておく・課題内容は事前に理解しておく・学生のプレゼン資料は事前に確認しておく |
論述課題プレゼンテーションに関する質疑応答 | 日本人IT講師、TC | 15 | ・日本語・論理的会話 | ・論理的思考力を確認するような質問の仕方にする・回答に対して深堀りをしていく |
マインドセットに関する質疑応答 | 日本人IT講師、TC | 15 | ・マインドセット | ・質問例や評価イメージを見ながら確認する |
マインドセットの質問では、
①勉強・自走マインド
②挑戦・未来志向マインド
③チームワーク・協調マインドの3つのカテゴリ
に分けて行なわれます。
例えば、「ITの変化や進化はとても激しいですが、最近、IT技術で勉強したことはどんなことですか?また、そのIT技術はなにか研究やプロダクト開発に活かすとしたらどのように生かせると思いますか?」「今回スカラシップ選考を受けようと思った理由は何ですか?」「プロジェクトを推進する上で、チームリーダーに必要な素養ってなんだと思いますか?その理由はなんですか?」などの質問に答えていきます。
面接時間は10分間の事前課題のプレゼンテーション、30分間の質疑応答です。
2023年スカラシップ開催!
お伝えしてきた通り、Sun*のスカラシップは合格基準が厳しいです。この課題をクリアできる学生は何人いるのでしょうか。
合格者は対象学生の5%を上限と定めています。昨年度の合格者は4名でした。
今年は応募人数が69名になっていますが、通過できる人数は何名いるのでしょうか。ここからは今年のスカラシップの様子をお届けします!
応募した学生のうち、論述課題と技術課題をクリアした22名の学生が面接に進みました。
面接選考は、前述の内容の通りに進みます。
面接官から日本語で質問が行われ、それに対して学生も日本語で答えていきます。
スカラシップの面接選考ということもあり、時折、非常に突っ込んだ質問をされることがありますが、それにしっかりと答えられる学生が合格の切符を手にすることができます。
今年は8名が合格しました!学生の中でもSun*のスカラシップというのは一つのステータスとなっているようです。
学生の中には、挑戦したくて応募している人や合格して自信に繋げたいと思って応募している人がたくさんいると聞いています。
また、このスカラシップを合格した学生のスキル・マインドは日本企業からみても一目瞭然のことで、初回のxseeds Hub選考会で全員が内定を獲得していました。
さらに、惜しくも面接で不合格になってしまった学生も全員が内定まで取得しており、Sun*のスカラシップに求めるレベルの高さがわかる結果になっています。
なぜこのような選考内容にしたのか?
ここまでスカラシップについてお伝えしてきましたが、なぜこのような内容にしたのでしょうか。
スカラシップ制度を担当している眞田氏にお話を聞いてきました!
スカラシップの話を聞いたところ、非常に合格基準が厳しいように感じました。どういった狙いがあるのでしょうか?
「それだけ学生に本気になって欲しいと思っています。私の考えですが、人生の中で、没頭した数、本気になった数、そしてその数が多ければ多いほど、人生は豊かに、楽しくなると考えています。
学生にとってこのスカラシップの内容は、たしかにハードルが高いと思いますが、挑戦する中で新しい気づきや成長に繋げていってほしいと思います。
仮に、結果としては不合格になってしまったとしても、全力でトライしたことは無駄にはなりません。もちろん結果にもこだわってほしいので、合格を目指してほしいとも思っています。
また、私としては、この選考を進んで行く中で、学生自身がこのレベルが求めれているということ知ってほしいと思います。“社会で成功する”というところに対して本気で向き合うにはこのレベルが必要だと思っています。
ただ単純に頭が良いや勉強ができるだけではなく、その先にある社会人としての仕事観や人生観も考えてほしいと思っています。」
今後に向けてのお気持ちを教えてください!
「嬉しいことに、このスカラシップ選考は学生にも人気です。ハードルが高いにも関わらず挑戦したいと言ってくれる学生が多くいます。
課題をクリアするためにほとんど寝ないで実施した学生がいるというのも聞いています。実際に面接にうまくアピールできなくて途中で泣いてしまう学生も見てきました。
それでも、このスカラシップに挑戦した昨年の学生は全員日本行きのチケットを手にしました。
今後は、このスカラシップの内容を日本企業にもしっかりと説明して、私達がいかに本気になって教育に取り組んでいるのかを多くの日本企業にも知ってほしいと思っています。
日本の人材不足は深刻です。私たちはそれについて本気で考えて実際に動いています。これからも日本がより良い社会になるためには絶対に外国人の力が必要ですので、引き続き本気で取り組んでいきたいと思います。」
インタビューにお答えいただきありがとうございました!
終わりに
いかがでしたか?今回はSun*のスカラシップについてお伝えいたしました。
学生にとって難易度が高いスカラシップですが、私たちも本気で向き合っています。学生にただ日本語や実践ITをしているだけでなく、より良い学習環境を整え、日本の未来について真剣に取り組んでいることをお分かりいただけたでしょうか。これからも日本で活躍できる優秀な人材を大切に育て、サポートし、日本のITを支えるために尽力してまいります。
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それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)