【教育現場Voice】実践教育で学生自身が学ぶ環境を作る!

「Sun*はもう素晴らしいですね。
教育の質を上げるということを業務として認めてくれているだけで私は本当に幸せです。他の先生方と話し合いをたくさんして、お互いを高め合っています。」

そう語ってくださったのは、ハノイ工科大学とフェニカ大学でIT講師をしている寄藤先生です。
どのような経緯でSun*のIT講師になったのか、穏やかな笑顔の底にある教育への熱い想いを伺ってきました!

はじめに

Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の茂木です。今回もご覧いただき、ありがとうございます!

日本語×IT教育で世界中の優秀なIT人材を育成しているSun*教育事業の魅力を余すことなく伝えることをモットーにしているこのコンテンツ。実際に大学の教育現場で教えている先生の想いをお届けします。

「日本語教師がSun*で働くことを選ぶ理由ってなんだろう?」

「Sun*で働く教師の環境ってどんな環境だろう?」

そんな方にぜひ読んでいただきたい内容です。

(今回インタビューにご協力いただいた方)

寄藤 潔 先生

大学卒業後、ソフトハウスで携帯電話や複合機などの組み込み制御系の開発にSE/PGとして8年ほど携わる。
その後、事務系の仕事を経て、日本国内の日本語学校に日本語教師として勤務し、主に留学生に日本語を教える。
途中、ホーチミンの系列校に出向し、2年弱、現地の学習者への授業と現地講師への研修を実施。
日本帰任後、教師の仕事と並行して社内システムの改善に携わり、その中でITの面白さに改めて気づき、Sun*のIT人材教育の分野へ転身。
趣味は音楽、料理、旅行、荷物をたくさん積んだバイクを見ることなど。

寄藤先生とIT

もともとIT業界にいらしたんですね。

「そうです。細かいことをいうとその前に雑貨屋で少し働いていました。私が大学生の時は就職氷河期だったので就職先を選ぶことができず、それで入社したのですが合わなくて半年くらいで辞めました。その後、IT業界に入って8年~9年ぐらいやっていました。」

なぜIT業界に入ろうと思われたんですか?

「小学生の時に家にMSX(※ゲーム専用機とパソコンの中間的存在)があり、よくMSXユーザー用の雑誌の中に載っているプログラムを入力して簡単なゲームをやるということをして遊んでいたんです。それもあって、もともとパソコンとかプログラミングにはちょっと興味がありました。小学校の時に遊んだきりでほぼ未経験でしたが、行ってみればなんとかなるかなと。若気の至りですね(笑)」

開放感あふれる部屋で行なわれるGEUのミーティング

IT業界でのやりがい、面白いところはどんなところですか?お給料が良いと聞きます(笑)

「お給料は増えました(笑)それは良かったですね。あと、物作りが凄くおもしろかったんですよ。私の場合は組み込み制御といって、携帯電話などの実際にユーザーが手に取るものの中で動いているプログラムを作る仕事をしていました。自分がプログラミングをしたり仕様を考えたりしたものがその実機の中に入っているのを確認できた時は誇らしい気持ちになりましたね。すごくやりがいのある仕事だなと思ってやっていました。」

寄藤先生と日本語教師

IT業界から、なぜ日本語教師の世界に行こうと思われたんですか?

「大学生の時に初めての海外旅行でタイに行ったんです。そこでは鶏が鶏の形をしたまま焼かれていたり、誰も交通ルールを守らないのを体験しました。衝撃的だったのですが、すごく面白いなと思ったんです。
その後、社会人をやっていた時に仕事を見直す機会があったのですが、そのタイミングで『そうだ、海外に行ったら楽しい社会があるんだ!』というのを思い出したんです。じゃあ海外で働くにはどうすればいいんだろうって色んな手段を考えて調べていたら日本語教師という職業が出てきました。もともと日本語教師になりたかったわけではなくて、海外で働く手段として日本語教師を目指しました。ただ、日本語教師の養成講座を受けてみると想像以上に面白いと思いました。例えば、講座の時に講師の方から『“楽しい”と“面白い”の違いが説明できますか?』って聞かれたんですよね。『あ、できないわ。』って思って。これは面白いって(笑)

最初は日本で働かれていたんですよね?

「そうです。日本語教師養成講座を受けているときに日本語教師になった方とつながりができて、『一番最初に就職をするなら、まず国内で働いて実績を作った方が良いよ。』と何人かにアドバイスをもらいました。『海外だと職場によっては自分を全然伸ばせなくなるよ。』と言われたんです。それでまずは日本で働くことにしました。」

実際に日本語教師をしてみていかがでしたか?

「面白かったです。一つのクラスに多いと8か国くらいの国籍の方が集まっていたので、色々な考え方に触れることができました。例えば、日本のニュースについて自分の意見を言うというのをやります。大きい台風が来て水や電気が止まったというニュースについて話したときに、『そもそも日本は何でこんなに電信柱が多いんですか?』って言われたりするんですよ。日本で生活していると気づかない物事の視点なのですごく勉強になりました。
あとは私が働いていた日本語学校では、“言葉は何かを達成するために使うのであってそれ自体が目的ではない”という捉え方をしていて、授業の目的は“Can‐Do、日本社会で何ができるか”ということでした。初級でいうと、道に迷ったときに道を聞くことができる、親しい人に自分の国の料理を説明することができるなどです。
“教科書を一年間で〇課まで終わらせることができる”ということが目標になっていると、N2は持っているけれど自己紹介すらできないということになってしまいがちです。幸いなことに、前職はそういう学校ではありませんでした。
理念もテキストも私にとっての師匠である校長が作っていたのですが、とことん実践教育をしていました。その方の下で働けたのはすごく勉強になりましたね。今は、そこから独り立ちしてみたという感じです。」

日本語教師のやりがい(面白いところ)はどんなところですか?

「たくさんありますね。一番やりがいを感じたのは、できない人が自分の何かがきっかけでできるようになったときです。それはもう最高に面白いですよね。
いくつか例はありますが、いつもグループワークをしないで無言で携帯電話を見ている学生と面談して、『どうしてやらないの?怒らないから何でも言ってみて。』と聞いたら、『人と話すのが怖い。別にやりたくないわけじゃなくて、人と話せないんだ。』というので、『じゃあまずは挨拶をしよう。』と言ったんです。すると、その学生は学習意欲はあるから『やります!』って言って次の日から本当に挨拶しているんですよ。そうすると少しずつ挨拶プラスアルファをするようになるんです。そういう変化が見られると『ああ、自分がいる意味ってあったんだな。』って思いましたね。」

学生には寄り添うということですか?

寄り添うというよりは、疑わない・決めつけないですね。『どうしたの?』というスタンスがすごく大事。やらないから真面目じゃないとか、遅刻ばっかりするから悪い学生だとかそういう考えは捨てた方が指導はしやすいってことに気づきました。気になった学生には聞きに行きます。それで学生がポジティブに変わってくれるとすごく嬉しいですよね。」

そういう先生だったから優秀講師賞を受賞されたのですね(拍手)その日本語学校時代にもベトナムで働かれていたんですよね?

メコンデルタツアーの船上で跳ぶ寄藤先生

「ずっと海外に行きたいことをその日本語学校に伝えていたので、2017年に行ってみませんかっていう話をもらったんです。その選択肢がベトナム・フィリピン・インドネシアだったのですが、今まで教えた学生で多かったのが中国とベトナムだったので、教えた学生の母国を見ておくのもいいなと思い、ベトナムを選びました。行ってみたらもうベトナムの生活がすごく合っていて好きになってしまったんです。ベトナムでの任務は実際に授業をすることと、現地講師のトレーニングもしていました。任期は1年だったんですけど、楽しすぎていつまでも帰らないから2年弱経ったところで校長から帰ってこいと命令されました(笑)」

日本に戻ってどうされたんですか?

「いつかまたベトナムに行きたいなと思っていました。そんな時に求人でSun*を見つけて、それで前の日本語学校を辞めたんです。そこはとても良い学校だったので、Sun*がなかったら辞めていなかったです。今でも元同僚とは仲良しです。」

寄藤先生とSun*

日本語教師として経験をつまれて、IT業界にもいらした、それでSun*なんですか?

「それはもちろんありますが、それだけではないです。教育業界ってひとくくりにはできないけれどまだまだ紙を使っていることが多くて、IT化が全然進んでいないんです。だからIT講師っていう求人を見たときに『そんな職種あるんだ。』って思いました。前の職場も本当に良かったけど、それにもましてこっちが面白そうだったというのが決め手ですね。だって、ITと教育が一緒になっているのってすごく興味深い。」

私もITと教育ってどうやって繋がるんだろうと思って入職しました。寄藤先生は入職されて3か月が経ちましたが、Sun*のお仕事は楽しいですか?

「楽しいです。実は前職とやっていることは変わっていないんです。」

実践的な内容を教えるということですか?

「そうです。今やっている実践ITの授業はもちろん座学もありますが、正に実践教育なんです。
例えば最近やった授業では、開発チームとプロダクトオーナーチームに分かれて模擬プロジェクトに取り組みます。でも開発チームが少し違うものを作ってしまった時に、双方がどういうコミュニケーションをしたらこういうことにならなかったのかを考えてもらうというアプローチをしています。」

Sun*で教える一番のやりがい

Sun*に入って良かったことは何ですか?

「こうやって打ち合わせができるのがとても良いですね(笑)(※この日はSun*のオフィスにあるフリースペースで地べたに座ってインタビューをしていました。)
他の先生たちとも時々こうやって比較的リラックスした状態で話しています。」

他の先生方ともお話しする機会があるんですね。

「しょっちゅう話します。実践ITの授業って教科書が無いので、オリジナルなんです。私たちのチームでシラバスを作って、皆で同じスライドを使ってやるので、その活動の目的をチームの中で確認する必要があります。あとは目的に対する活動内容を改善したり、毎週ミーティングをしています。コミュニケーションはしっかりとらないと進めていけないんです。

Sun*のオフィスでよく話し合いをしている寄藤先生と
IT講師の先生方

前の職場はやらなければいけないことが多すぎて、あまり教員同士で話す機会はありませんでした。Sun*はもう素晴らしいですね。教育の質を上げるということを業務として認めてくれているだけで私は本当に幸せです。話し合いをしてお互いを高めあっていますし、新しい先生からのアイデアがとても面白かったりして、発見も多いんです。

寄藤先生とHUST5年生の学生たち

学生にはどんなことを持って帰ってほしいですか?

「学生に一番求めたいのは、振り返れる人になって欲しいということです。自分の行動で、何ができて何ができなかったのか、それはどうしてなのかっていうことを自分自身で振り返えられれば、気づかないうちに成長していけるようになるんです。」

それはどう教えていらっしゃるんですか?

「いきなりやれっていわれても難しいので、まずは学生同士で振り返りをしてもらいます。授業では学生同士でコメントをし合うのですが、そういう時に先生が何も言わなくても学生同士で適切なフィードバックができていればその第一歩はクリアなのかなって思っています。
次のステップが、それを自分自身でできるようになることです。それができたら先生なんていなくていいですし、そうなってもらいたいと思って授業をしています。
アクティブラーニングですね。だから究極の一番素晴らしい授業って先生が何もしなくても学生同士で進めて、学んで、帰っていくっていうものだと思っています。先生は座って見ているだけになります(笑)それが理想の授業です。」

学生が主体的に授業できるようにアドバイスする寄藤先生

アクティブラーニングを取り入れていらっしゃるんですね。

「あとは学んだことを実践させるように働きかけることも大事にしています。例えば授業でチャットツールの使い方を学んだけれど遅刻の連絡をしてこなかったときに、授業で学んたことを確認して、『次からは使いましょう。』と伝えています。学んだだけだと知識だけになってしまうのでもったいないんです。」

使っていくと定着しますよね。

「使うと自分のものになるので覚えなくてすむんです。2~3回使えば、もう忘れないと思うんです。でも使わないと覚え続けなければならないので辛いだけなんですよ。なので勉強したことはたくさん使ってほしいです。」

今後Sun*で実施してみたいこと

多くのことを考え、実践されてきた寄藤先生が今後Sun*でやってみたいことはありますか?

「あります。ちょっとおこがましいですが、まずはもっと先生達にアクティブラーニング型授業の楽しさを理解してもらって、皆で取り組んでいきたいです。学生ができることはどんどん学生に任せていこうという授業ができたらもっともっと楽しいかなって思うんです。
あとは日本語の先生たちと連携して、『Sun*で学んだ卒業生ならこれができる!』というものがあるようにして送り出せるチームになっていると良いなと思いますし、それがあると会社にも利益になるのかなと思います。
あと、今Schooler(※ブラジルなども含めた学生の出欠や成績管理などをGEUの共通した一つのシステムでやるプロジェクト)にもプロダクトマネージャーとして入っています。その運営はSun*のインターンの学生達なので、彼らの意見を聞いたり判断したりする立場にいる以上、もっとITの分野に詳しくなってしっかりやっていきたいです。詳しくないとそれこそ学生に指導するときに説得力がなくなってしまうので、今後本格的に頑張っていきたいなと思っています。」

終わりに

いかがでしたか?今回は寄藤先生のインタビューをお届けしました。Sun*の講師陣は話し合う機会を多く設けて日々学び、高め合い、学生の将来を考えて真剣に情熱的に教育をしています。

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それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)