内定はスタート地点!渡日までのサポートについて

みなさん、ご無沙汰しております。Global Education Unitの越本です。

ハノイも本格的な夏のシーズンに突入し、日に日に気温が上がっています。長かったコロナ禍による国の往来制限が、徐々に緩和されてきましたね。街中や市民の雰囲気もだいぶコロナ前の状態に戻りつつあり、気温だけでなく、人の活気や熱気を感じるようになりました。

定着支援についての記事からだいぶ間が空いてしまいましたが、今回もxseeds Hubの内定後のサポートに関する記事です。前回の記事についても合わせてぜひご覧ください。

xseeds Hubの内定後サポートは、大きく2つ(渡日前サポートと渡日後サポート)に大別されますが、今回は特に渡日前サポートについてご紹介したいと思います。

内定フォローについて

私たちは、渡日前(内定承諾〜入社)までの期間のことを「内定フォロー期間」と呼んでおり、通常のコース授業に加えて、内定者用のフォロー施策をいくつか実施しています。実施している施策は下記です。

  1. 内定者研修
  2. 学習計画フロー
  3. 企業ー内定者間の交流会
  4. SUN* IT研修
  5. インターンサポート

学生からすれば、通常の授業に加えて色々と対応することになるので、決して楽ではありません。しかし、準備不足で困るのは彼ら自身です。大変だな…と思いつつも、励ましたり、ときには叱りながら(?)サポートしています。目指すは、入社後の活躍!運営側もギアをもう1段上げて接します。今回はこの中で、2022年から実施し始めた「学習計画フロー」についてご紹介したいと思います。

学習計画フローについて

文字通り、学習計画を立てて、それを実施するというプロセスに取り組んでもらいます。これを私たちは学習計画フローと呼んでいます。

PDCA cycle illustration

具体的には、現状の確認と目標設定を行い、それを達成するために学生自身で計画の立案、実施、計画の修正、再実施(PDCA)を行っていただきます。また、これら一連のプロセスを内定企業様に定期的に報告します。

計画をする対象となるものは様々ありますが、xseedsでは企業様に強い希望がない限り、内定者にJLPT N2(日本語能力試験 2級)の取得を目指し、このプロセスを実施することを推奨しています。

狙い

この施策の狙いは、主に下記3つです。

  1. 学習モチベーション
  2. 日本語能力の向上
  3. ソフトスキルの醸成

1.学習モチベーション

このフローでは、目標達成のためのPDCAだけでなく、内定先の企業様へ毎月報告をすることをプロセスに組み込んでいます。これは、内定者に一定の緊張感を持ってもらうことが目的です。

実施状況や成果は、自身の評価に紐づく可能性があるため、とりあえずフローをなぞるだけのように取り組みが形骸化することを防ぎ、責任感をもって実施することを期待しています。

計画の作成にあたって、我々の内定者チーム、日本語教師チームが確認します。
計画の具体性や妥当性についてフィードバックを行いますが、学習量については過度に口を出すことはなく、「立てた目標と計画は内定企業様へのコミットメントなので、責任を持って実施してください」と案内しています。

たまに、この計画は果たして実現できるのかな?と思うようなキツめの計画を立てたり、反対に1日30分程度のゆるい計画を立てる内定者もいますが、過度な修正を促すフィードバックはあえてしないようにしています。大切なのは、できなかったときの分析や、次の軌道修正に活かすことだと考えているためです。

このプロセスには内定者から内定企業様への報告だけでなく、内定者の実績に対して企業様からコメントをいただくようにお願いしております。こうすることで、内定者の学習モチベーションを向上させたり、このプロセスを通じたコミュニケーションで良好な関係性を構築する一助になればと考えています

計画ー実績表

2.日本語能力の向上について

冒頭でも説明したとおり、企業様にこだわりがない場合は、内定者にJLPTのN2(日本語能力試験 2級)を取得することを推奨しています。これは、我々が目指す「内定者の活躍」において、他者とのコミュニケーションが必要です。そして、これを行うために最低限の言語能力が必要不可欠であると考えるからです。

近年では、英語力があれば、日本語能力をそこまで必要とされない企業様や、技術重視の企業様も増えてきました。業務単体でいえば、そこまで日本語を必要としない場合もあるかもしれません。

しかし内定者が日本で不自由ない生活をおくること、上司や同僚と良好な関係を構築することなどを考えると、最低限の日本語能力は必要であると考えています。そして、そのラインは最低N2程度であると考えています。

●JLPT N2(日本語能力試験 2級)を目標にする理由

言語能力の向上、特に駆使能力(特に聞く、話す)の向上において土台となる知識面(基底能力)は必要不可欠です。

基底能力駆使能力
インプット読む聞く
アウトプット書く話す
言語における4技能

ペーパー試験はただのテストなので、そのための学習は語学能力を伸ばすことにならないという意見がたまにあります。これは一理あり、資格を持っていなくとも会話が得意な人がいる一方で、N2資格を持っていても会話ができない人がいることも事実です。しかし、日常会話以上の語学力を獲得する場合は、やはり土台となる言語知識は軽視できません。

内定者は、日本で暮らすだけではなく、会社で日本人と働くわけですから、より高みを目指す必要があるわけです。会話力やリスニング力は、日本に行けば自ずと伸びていきます。しかしこれを最大化するのであれば、なおさら土台となる部分をしっかり構築する必要があると考えています。

例:
TOEIC300点の人と、TOEIC800点の人がいたとします。彼らがアメリカに留学した際にどちらの方が最終的に高い語学力を身につけるのかをイメージしてみるとわかりやすいかと思います。

JLPTについては以下の記事で詳しく書いていますので、合わせてご覧いただけますと幸いです。

●オンラインハーフ模試

適切な計画を立てるためには、現状レベルを理解し、目標とのギャップを正しく認識する必要があります。

そこで、xseedsでは内定者の日本語能力の測定に(JLPT本試験だけでなく)アスク出版が提供するオンラインハーフ模試(以降、ハーフ模試)を活用しています。

これは、オンラインで通常の半分の分量のJLPT模試を低価格で受験できるサービスです。好きなタイミングで気軽に受験ができ、受験後すぐに結果を確認ができるので、力試しには最適なサービスです。

テストでは、言語知識(語彙・文法)、読む力、聞く力の3つの能力測定が中心で、アウトプットとなる書く力、話す力の測定には不向きですが、基底能力の習熟度を定量的に測定すできます。また能力別(カテゴリ)に評価できるので、計画やプロセスの評価に適しています。

3. ソフトスキルの醸成

社会人に必要とされるソフトスキルは様々に挙げられます。経済産業省が社会人基礎力を提唱するように、社会人になったら様々な力が必要になるということは、広く知られています。

これらは座学でのインプット型授業では、知ることができても習得できるものではないものばかりです。なので、このプロセスを行うことで、いくつかの能力の醸成につながることを期待しています。

■関連するソフトスキル

  • 報・連・相(ほうれんそう)
  • 実行力
  • 課題発見力
  • 計画力
  • 規律性

年間イメージ

2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月
1回1回1回1回
2回2回2回
3回3回3回3回
4回4回4回4回4回
年間でPDCAサイクルを4回実施

このPDCAサイクルを年間を通じて4回実施します。
JLPT本試験の開催月が毎年7月と12月にあり、本試験の1ヶ月前に模試を受験するように設定したので、このようなサイクルとしています。また、2月はベトナムの旧正月となるため、計画の対象期間は少し長めにとっています。

このプロセスは、日本語の学習に注力していない内定者にも実施しています。
その場合は、入社後に必要なプログラミングやITスキルの学習を計画対象としています。

最後に

私たちは、内定までをティーチング期間、内定〜入社までをコーチング期間として捉えています。冒頭でお伝えしたとおり、このフローは導入して軌道にのったばかりのフローです。運営側としても、きちんと機能し、内定者が社会人としての自覚と自信を手に入れるものになってくれればと願うばかりです。

そのために、私たちも一生懸命、PDCAを回していきます。学生と接しながら、私たちも色々と学ぶ毎日です。内定者のみなさん、一緒に頑張りましょう!

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