Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。
今回もご覧いただき、ありがとうございます!
Sun*は海外産業人材育成協会(通称AOTS)の協力のもと、特別講座を開催しています。
過去にAI特別講座の様子をお伝えしましたが、そちらも合わせてご覧ください。
今回は品質保証講座についてお届けします!
- 品質保証って何?
- どんな学生が受講してるの?
- この講座ではどんなことを学ぶの?
そんな疑問をお持ちの方にぜひ読んでいただきたい記事です。
そもそも品質保証って何?
みなさん、品質保証がおろそかになって起きた事件について聞いたことはありますか?
記憶に新しいのは、2021年に相次いで発生したみずほ銀行のシステム障害ではないでしょうか。
振り込みがエラーになってしまったり、法人向けインターネットバンキングでデータベースサーバーの処理遅延が発生したりと、初歩的な設定ミスの見逃しによるものでした。
2021年だけで10回のシステム障害が発生しましたが、2011年にも大規模なシステム障害を起こし、その際も今回も代表が引責辞任をしています。
品質保証とは、
「効率と品質が求められるあらゆる活動において、それらに保証を与えるのに必要な証拠を提供する活動一般を指す。計画され体系化された活動は一般に、その製品やサービスが要求された品質を満足していることを保証する必要がある。」
とwikipediaには書かれています。
ITプロダクト開発においては、ITプロダクト開発において品質に関する業務を主とするQA(Quality Assurance)エンジニアが保証を担保するためのテスト等を行っています。
QAエンジニアの重要性は、冒頭に挙げた事件から強く感じられますね。
Sun*とJSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)
現在Sun*では様々なITプロダクト開発における品質保証をしていますが、今後さらに品質向上を目指すためにQAエンジニアの育成に力を入れ、「JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)」テスト技術者認定資格の取得を積極的に推進しています。
JSTQBは日本のソフトウェア技術者がテスト技術を向上させるきっかけとして、テスト技術者の資格認定制度を開始しました。JSTQB技術テストの合格者は、ソフトウェアテスト技術者の国際的な資格認定団体であるISTQB(International Software Testing Qualifications Board)でも認証される世界的な資格です。
【参照元】
JSTQB認定テスト技術者資格
ISTQB(International Software Testing Qualifications Board)
Sun*が品質保証講座を開講する意味は?
品質保証を体系的に学ぶことができるJSTQBの知識の必要性を強く感じますが、ベトナムではそれらを学ぶ環境が少ないというのが現状です。
しかしながら、ITプロダクト開発における品質保証に必要な知識の習得とともに、世界から定評がある「Japan Quality」をどのように保証、管理していくかが、今後のSun*の発展はもとより、日本のソフトウェア業界の発展にも必要だと考えています。
よって、日本および日系企業への就職を目指す「xseeds Hub(独自カリキュラムによるITエンジニア育成プログラム)」に参加している学生にはぜひ学んでほしいスキルのひとつでもあるため、今回AOTSのサポートにより開講しました!
ハノイ工科大学、ベトナム国家大学ハノイ校の学生が参加
受講対象はハノイ工科大学とベトナム国家大学ハノイ校の3年生です。
こちらの講座は1日4時間、計7回(合計28時間)開催のスケジュールになっています。
参加意欲が強く、最終講座まで精一杯臨む意思のある学生のみが受講しています。
前章でもお伝えした通り、ITプロダクト開発の品質保証に関する教育環境があまり整っていないという現状があり、今回の特別講座によって学生の成長のプラスになることができれば、私たちもうれしい限りです!
品質保証講座 講師の岡迫氏
今回の特別講座で学ぶ「JSTQB FoundationLevel」の学習範囲は、3つあるレベルの中で最も基礎的な内容となりますが、講座内容の理解および講座を通じた体系的な知識の習得がITエンジニアとして高品質なITプロダクト開発をしていく上で欠かせないものです。
2022年1月時点で、JSTQB Foundationレベルの資格保持者は約2万人います。
今回この講座の講師を務めるのは、現在Sun*ベトナムでプロジェクトマネジメント、Sun*のプロダクト開発の品質保証を担っている岡迫さんです。
岡迫さんは「JSTQB Foundation Level」の資格はもちろんのこと、「IT検証技術者認定試験(IVEC)」「ソフトウェア品質技術者資格認定(JCSQE)」など、ITプロダクト開発の品質保証に関する資格を多数取得しています。
全7回の品質保証講座で学ぶ内容は?
今回の講座では以下のことを学びます。
- 品質保証(テスト)の基礎
- テストの必要性
- テストの7原則
- テストプロセス
- テストの心理学
- ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト
- テストレベル
- テストタイプ
- メンテナンス(保守)テスト
- 静的テスト(動的テストとの違い等)
- 高度技術と品質保証
全体を通して、「JSTQB FoundationLevel」に沿った内容です。
品質保証講座スタート!初回の様子は?
オンライン開催となった初回は、この講座の概要や目的の説明の他に、品質保証の基礎としてITプロダクト開発におけるテストとは何か、なぜテストは必要なのかを学びました。
品質保証の必要性を参加学生みんなで考えた際に、身近な例としてさまざまな外国製品について学生は例を挙げていました。
学生の中には「〇〇製は品質がいい」「〇〇製は壊れやすい気がする」というイメージがあり、品質が低い事に対するブランドイメージの低下も改めて感じていたようでした。
また、自分の考えを述べる場面では、指名された学生以外も積極的に挙手をして答える学生がいたり、質問をしたり、自ら学ぼうという姿勢が見られました。
学生にとっても待ちに待った品質保証講座だったので、前のめりの姿勢が見られたことが教育事業部の一員としてとても嬉しかったです!
品質保証講座 開講への想い
冒頭でもお伝えした通り、ITプロダクト開発における品質保証、そしてそれについて日本および日系企業への就職を目指すベトナム人学生が学ぶ機会を提供したいという想いによって開講に至りました。
ここに至るまでは様々なハードルがあったことを今振り返りながら思い返しています…。
今回講師を務める岡迫さんは現役のエンジニアです。その方に教育側としてプロフェッショナルな知識を学生に伝えるという新しい試みをお願いしました。
そして、以前行ったAOTS共催のAI講座、サイバーセキュリティ講座、ブロックチェーン講座と大きく異なるのは、講師が日本人だということです。
その3つの講座に関してはSun*ベトナムのR&Dチームのベトナム人スタッフがベトナム語で講座を行っていましたが、今回は日本人講師ということで、日本語で作成した講座用スライドを全てベトナム語に翻訳する必要があります。
「xseeds Hub」に参加している学生はある程度の日本語を理解できます。ですが、ITプロダクト開発の品質保証に関する専門的な内容をしっかり理解するには母国語であるベトナム語で学ぶことも大切です。
そのため、「xseeds Hub」出身のインターン生3名が翻訳を行っています。
ただ翻訳を行うのではなく、品質保証について深く理解をしながら、わからないところは岡迫さんに尋ねながら翻訳を精一杯行っていました。
また講座当日は、元IT講師で学生に実践IT授業を行っていたヒエンさんが通訳としてサポートしています。
現在はR&D所属ですが、この講座の協力をしてくれています。
講座に関わる全ての方々が、どうしたらより学生に伝わるのかを常に考え、幾度となく打ち合わせを重ねて準備に取り組んでいました。
この講座は元々2020年に対面形式で開講予定でした。
新型コロナウイルス拡大の影響によりなかなか実施に至ることができなかったという経緯があります。
AOTSと何度も協議を行い、今回オンラインでも十分に講座の効果が期待できる準備を整えた上で開催することになりました。
開講にあたって、今回岡迫さんへ直接インタビューをする機会がありましたのでその時の様子をお届けします!
品質保証講座 講師の岡迫さんへインタビュー
‐ 2020年の講座開催予定から、今2022年になりやっと開催できましたね(泣)
そうですね。
ここに至るまで、講座用スライドを翻訳してくれたインターン生達や講座通訳のヒエンさんなどと翻訳の内容や改善点、スケジュールなどについて何度も打ち合わせを重ねてきたので、やっとこの日を迎えられて良かったです。
‐ 岡迫さんの講座は、ITに疎い私でもわかりやすくて勉強になります!今までに講師経験はあるんですか?
実は、ベトナムに来る前にSun*ジャパンで品質保証講座の講師もしていました。
対象者はSun*ジャパンとグループ会社のエンジニアで、今回の講座をさらにボリュームアップした内容です。1年くらいですね。
‐ そうだったんですね!
今回は受講対象者が学生ですが、この講座を通して学生にどんなことを学んでほしいですか?
そもそも、ITプロダクト開発において、品質保証に関する仕事があるということを知ってほしいです。
日本の品質保証の歴史は第二次世界大戦後くらいから始まっていて、すでに80年ほどあります。
戦後アメリカから入ってきたものの一つに、品質保証のプロセスや考え方が挙げられます。日本の製造業、例えば自動車産業などに広がっていったのが始まりでした。
ベトナムでも「ホンダのバイクは品質がいい」ということで人気ですが、それは品質保証の分野において日本が長い歴史を経て、知識や技術の向上を積み重ねてきたことが評価されてきたひとつの結果だと考えられます。
ベトナムのITプロダクト開発の分野においては、品質保証に関する概念はまだあまり浸透していないように感じていますし、大学の講義においても開発プロセスの中の一つとして品質保証に触れることはあっても、しっかりそれを一つのコースとして学ぶという環境は私が知る限りではないんですよね。
ですので、今後学生の皆さんは様々なIT関連の仕事に就くと思いますが、どんな業務を行うにしても開発プロセスの中にテストというものがあり、それがプロセスの一つとして機能していないと問題が生じるということを理解してもらえたらと思っています。
‐ 受講前の学生に向けた事前アンケートによると、「品質保証の知識を広げたい!」という強い思いが感じられます。
この講座では学生のプレゼンなどは予定していますか?
QAエンジニアが実業務で作成するようなテスト仕様書(テストケース)を学生の皆さんにも実際に作成、プレゼンしてもらう予定です。
‐ 今から楽しみにしております!インタビューありがとうございました!
終わりに
いかがでしたでしょうか。今回はAOTSのサポートのもとで開講した品質保証講座の初日の模様についてお伝えしました。
今回はコロナ禍のためオンラインでの開講となりましたが、最終講座を行う頃には対面での開講となることを祈っています。
次回は、品質保証講座の集大成である、最終日の学生によるプレゼンテーションの様子をお伝えしていく予定です。
お楽しみに!
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