【ベトナム人学生を紹介】すでにBrSEとして活躍できるレベルのスキルを持っている学生!

「問題が発生したら原因ではなく真因を突き止めるように心がけています」

そう語ってくれたのは、日本企業に内定済み、現在はハノイ工科大学の5年生(最終学年)でSun*ベトナムにてインターンを行っているフイさんです。

Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。
今回もご覧いただき、ありがとうございます!
今年から始まった大好況企画、

新シリーズ「ベトナム人学生を紹介!」

の第3弾をお届けします。
今回は、xsseds Hub採用選考プラットフォーム「SCP」(以下SCP)の開発を担当するフイさんにインタビューしました。
フイさんの同級生でもあるタインさん、ズオンさんの記事もぜひ合わせてご覧ください。

フイさんは、以下のような素晴らしい経験、スキルをお持ちです。

  • ロジカルに考え話す能力がある
  • 要件定義から開発までを実践レベルで経験している
  • すでにBrSEとして活躍できるレベルのスキルを持っている

謙虚な姿勢で多くのことを吸収し続けているフイさん。
インターンとして行っているプロジェクトのことや、将来の目標やこれからさらに学びたいことなどを語っていただきました。
どうぞご覧ください!

(今回インタビューに答えてくれた学生)
レ・ニャット・フイさん
ベトナムトップ大学であるハノイ工科大学の5年生(最高学年)。
3年生の後期にGPA3.95(履修全科目の平均、100点満点で換算すると98.8点に値する)という成績を叩き出し、最上位の学生のみ受けられる大学からの奨学金を獲得。
2020年4月、日本企業に内定し、卒業後に渡日予定。
JLPT N2を取得し、日本語でのコミュニケーション力に長けている。
現在はSCPのプロジェクトチームにインターンとして所属。

日本やITとの出会い

フイさんがITの道に進もうと思ったきっかけは何ですか?

昔からパソコンでゲームをしたり、パソコンの設定をすることが好きでした。
例えば中学生の時に、オンラインゲームをするためにどんなパソコンの設定が必要なのかインターネットで調べ、ソフトウエアをインストールしていました。
他には、オフラインのアクションゲームをインストール後に、登場人物を強くするためにハックしたりしました。あまり大きな声では言えないですか…(笑)
その時は独学でしたが、高校3年生の時に進路を考え、パソコンの知識をもっとつけたいと思ったのがきっかけです。

そこでハノイ工科大学に行きたいと思ったんですね。

はい、そうです。
知り合いの先輩の話を聞いて、ハノイ工科大学(HUST)のHEDSPIコースについて知り、興味を持ちました。
ただ、HUSTに入るには、化学、数学、物理の3つの科目で高得点を取らなければいけません。
私は高校で化学を専攻していたので、化学の受験勉強は独学で行っていました。
数学と物理については、高校では基礎のみ学んでいたため、高校3年生の時にそれぞれ1回2時間の塾に週2回ずつ通い、HUST合格を目指していました。
HUSTに入学するには、授業で習う基礎知識だけでは足りず、塾で応用を学ぶ必要があります。

高校生の頃のフイさん

受験勉強が大変なのは、ベトナムも日本も同じなんですね…。
HEDSPIを知ってハノイ工科大学に入りたいと思ったということは、入学前から日本に興味があったんですか?

はい、初めて日本について知ったのはドラえもんのアニメからでした。
例えばドラえもんに出てくる自動販売機を見て面白いなぁと思ったり(※ベトナムではあまり自動販売機を見かけません)、そういうところから日本の生活に興味を持ち、そこから日本で仕事がしたいと思うようになりました。
日本語を勉強し始めたのは大学に入ってからです。

フイさんは今JLPTのN2を持っていますよね?
短期間でその日本語能力を習得したことは素晴らしいと思います。

ありがとうございます。
大学3年生の時にN2を取得しました。
1〜2年生の時に空いている時間に日本語を積極的に勉強するように心がけていました。
大学での授業以外に、外部のオンライン授業を受けて勉強もしたので、それもよかったと思います。
日本企業に就職したいという思いが常にあったため、日本語を学ぶモチベーションを保つことが出来ました。

Sun*のインターンについて

現在も大学に通いながらインターンで働いていて、努力している様子が伺えます!インターンではどんなことを行っていますか?

プロジェクトチームの中で私はIT Comtorの役割を担っています。
今の経験を生かして、将来はBrSEを目指しています。

インターン中に失敗から学んだことはありますか?

インターンを始めた当初、SCPにバグが発生した時に真因がわからずに、バグが発生した事実だけを報告をしてしまったことがありました。
眞田先生から「なぜバグが発生したんですか?」と質問がありましたが、「わかりません」としか答えることができませんでした。
プロセスの間違いによって発生したバグだったんですが、先輩が一緒に真因を明確にしてくれ、その後再度眞田先生へ報告をしました。

オンラインインタビューを受けるフイさん

その時眞田先生は、問題が発生した時は原因ではなく真因までわかるように調査することが大切だと教えてくださいました。
真因を調査することで、次に同じ問題が発生する前に防ぐ方法を得ることができます。
逆に真因を特定しないと、同じ問題が発生する可能性があります。

真因という言葉を外国の方から聞いたのは初めてです。
学生のうちにそれを理解しているのは素晴らしいですね!
言葉の意味を学んだのはいつですか?

大学4年生の時に実践IT授業で真因という言葉と、なぜなぜ分析を学びました。
なぜという質問を繰り返して真因までたどり着くという方法です。
深いところまで追求しないと、表面的な問題しか見つけることができません。「なぜ」が出ないところまで考えることで、問題の本質、真因がわかります。
先ほどお話ししたインターン中の失敗ですが、助けてくれた先輩は真因にすぐに気づいていて、私にその考え方を教えてくれました。具体的には、どの視点からみたらなぜ問題が発生した真因がかわかるかというヒントをくれたんです。
考え方を知ることで、次問題が発生しても真因を特定できるようになります。
今私にはインターンの後輩がいます。
先輩が私に教えてくれたように、今は私が後輩に真因を特定できるようなヒントを与えるようにしています。

授業で学んだことを実践を通してさらに学び、成長していけるのはいいですね。
フイさんはBrSEを目指していると言いましたが、IT Comtorとの大きな違いは何ですか?

IT Comtorとはコミュニケーターの意味で、日本側とベトナム側、日本人とベトナム人の間に入って通訳する役割の人です。つまり、チーム内でコミュニケーションを取ることに特化していますが、BrSEはそれだけではなく仕様書の作成や翻訳、プロジェクトの進捗管理や成果物の品質チェックなど、幅広い知識が必要です。
先ほど私はSCPのプロジェクトでComtorをしているとお話ししましたが、仕事内容からするとBrSEに近いことをしています。
ユーザにとってSCPがより使いやすくなるように、PMである眞田先生がユーザにヒアリングし、データにまとめてくれています。私はそのデータをもとに要件を明確にし設計を行い、開発チームに伝えます。
その時にコミュニケーションスキルと説明スキルが必要です。
特に、ユーザの要望や、本当にやりたいことを正しく理解することが大切ですし、難しいと感じます。
私の認識が間違っていないか確認するために、「私はこのように理解していますが合っていますか?」と眞田先生に確認したり質問したりするように気をつけています。
また、説明するときに気をつけていることは、相手の立場(開発者なのか、QAなのか)によって説明の仕方を変えるということです。

具体的には、誰にどのように説明するんですか?

SCPとSchoolerの開発チームとの一枚

例えば、Developer(開発者)に説明するときには、ソースコードなどについて技術的な専門用語を使って話をしますが、QAの人(プロダクトをテストする人)には専門用語は使わずにどのようにプロダクトが動くのか機能面を説明しています。
BrSEの仕事は技術的なことも必要ですが、テストをするということも仕事のひとつなのでQAの知識も幅広く必要です。
QAについて大学では基礎は学びますが、深く学習する機会がありません。ですので、プロジェクトチームのQAの人に、テスト前はどんな準備が必要なのか、テストにはどんな方法があるのか聞き、聞いたことをさらにインターネットで検索して詳しく学ぶようにしています。

日本に行くまでにさらに学びたいことはありますか?

はい、もっとコーディングを勉強したいと思っています。
また、今はIT Comtorとしてインターンを行っていますが、Developerに挑戦したいです。
いいBrSEになるにはコミュニケーションスキルや分析スキルだけではなく、コーディングスキルなども必要だからです。いろんなプロジェクトを担当できるようになるためには、幅広い知識が必要なのでそれらを学びたいと考えています。

ITスキルも日本語も、ストイックに習得してきたフイさん。
日本生活を影ながら応援しています!
インタビューの機会をいただきありがとうございました!

PMの眞田先生からメッセージ

xseeds HubのIT講師でもあり、SCPのPMでもある眞田先生からフイさんへのメッセージをいただきました!

私がフイくんと一緒に仕事をしてきて印象的だったエピソードをいくつかお話できればと思います。
まずは初めてSCPのインターンにアサインしてきたころです。
最初は、ちょっと物静かな学生だなという印象でしたが、すぐに彼の貪欲さというか視座の高さに気づきました。
それは、開発メンバーとの会議のときに毎回必ず「あとで会議の内容を確認したいので、内容を録音してもいいですか?」と聞いてきたことです。
理由を聞くと、日本語の勉強にもなるし、内容の理解もしたいと言っており、彼がどんな気持ちでこのインターンに参加しているのか知ることになりました。
今ふと思うと、確かにアサイン当初は私も丁寧な話し方を意識するように気をつけていましたが、
今ではほとんど気にすることなく彼と会話することができるようになったと感じています。

他にも印象的だったことがあります。

コロナの影響もあってプロジェクト開発自体は、オンライン開発が主流になり、基本的なやりとりもテキストを通したチャットがメインになりました。
普段から仕事のやり取りをチャットでされている方なら共感できると思いますが、
チャットのやりとりってどうしても相手に意図が不本意に伝わってしまったり、認識の齟齬が生まれてしまうことがよくあると思います。
そんなとき、私はすぐにフイさん「今オンラインで話せるかな?」って言って、直接やり取りすることでこの認識の齟齬を解消するようにしていました。
あるとき、同じようにチャットでやり取りをしていると、今度はフイさんから「ちょっとオンラインで話せますか?」と来ました。
そのときの理由を聞いたら「私(眞田さん)がやっているのを見て効率的だと思って自分もやってみました」とのこと。

このときの彼の視座の高さに感動したことを今でもよく覚えています。
なかなか普段から業務効率や仕事に対して目的意識がないとこの気づきは出てこないですし、
そもそも気づいても自分からすぐにアクションに移すことはとてもむずかしいと思います。
私自身、フイさんのそういう行動を見て、改めて自分ももっと頑張らないとなと気付かされています。

そんな彼も今は5年生となって卒業論文が忙しい時期ですが、週に1回はSCPの様子を見にきてくれて、今度は後輩のために色々とサポートしてくれています。
フイくんの先輩もそうだったように、今度はフイくんが後輩のために、どうしたら後輩がフイくんみたいに育っていくのか?を考えて行動してほしいと考えていますし、そのこと自体が彼をもっと成長させることになると思います。
非常に難易度の高い案件ですし、もう業務範囲を超えておりますが(笑)、彼なら必ずできると期待しています。

終わりに

いかがでしたでしょうか。
今回は、ベトナムの優秀な学生を紹介するシリーズの第3弾として、Sun*ベトナムのインターン生、フイさんにお話を伺いました。
今後も「IT×日本語」の素晴らしいベトナム人学生を紹介していきますのでお楽しみに!

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ABOUT US
大原歩美
幼少期から海外に興味を持ち、カナダ、フランス、オーストラリア、イランで生活する。 日本ではヨガスタジオのエリアマネージャー、留学カウンセラー、東証一部上場企業の社長秘書など多岐にわたる職業に従事。 脱公務員で現地企業に就職した夫、3歳の息子とともに2021年からベトナム生活を開始。 将来の目標は世界遺産全制覇。