ベトナム人の生活費は?ベトナムのお金事情について

Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。今回もご覧いただき、ありがとうございます!以前、こちらの「ベトナムの労働市場を調査しました」という記事で、ベトナムの給与事情についてお伝えしました。

今回は、現地の給与感で生活すると、どんな生活イメージになるのかに着目し、シミュレーションをしてみました。IT企業に勤めて2、3年目のベトナム人を想定して、その給与をベースに生活費はどれくらいかかるのかというところに注目してみたいと思います。

ベトナムは物価が安いというイメージがあると思いますが、実際のところはモノによって価格は様々で安いものもあれば、高いものもあったりします…。

・ベトナムの物価は日本と比較して安い?高い?

・ベトナムの税金や健康保険の金額は?

・ベトナムでの生活費はどれくらい?その内訳は?

そんな疑問をお持ちの方に、ぜひ読んでいただきたい記事です。

ベトナム(ハノイ)と日本(東京)の物価を比較してみよう

生活費を考える上で外せない物価。日本と比較しやすい項目をピックアップしてお伝えします。

交通費

交通手段ベトナム(ハノイ)日本(東京)
バス35円(7,000VND)210円
電車40円(8,000VND)180円
タクシー(初乗り1km)50円(10,000VND)410円
ガソリン(レギュラー1L)135円(27,000VND)150円
1VND=0.005円として計算 ハノイメトロを参照

上の表を見ると、交通費に関しては圧倒的にベトナムの方が低いことがわかりますね。日本と比較して、1/5 〜1/8ほどの費用です。一方で、ガソリンに関していえばあまり差がないということがわかります。

つまり、この価格差は運転手などの人件費の安さが反映された金額ということになるかと思います。公共交通機関が発達した日本に比べて、ベトナムでは都市部でも未だに市民の主な交通手段はバイクで、弊社のベトナム人メンバーも多くがバイク通勤をしています。1ヶ月の交通費については次の章で詳しく説明します。

食品(スーパーマーケット)

まずはスーパーマーケットにある主要な食品の物価を見てみましょう。

食品ベトナム(ハノイ)日本(東京)
米(5kg)563円(112,500VND)2,290円
牛乳(1L)167円(33,300VND)215円
卵(10個)148円(29,500VND)234円
じゃがいも(1kg)138円(27,690VND)493円
たまねぎ(1kg)133円(26,600VND)419円
鶏むね肉(100g)46円(8,320VND)130円
牛肉(100g)122円(24,400VND)289円
コーラ50円(10,000VND)120円
トイレットペーパー(4ロール)155円(31,000VND)250円
洗濯洗剤(約1kg)200円(40,000VND)280円
【参照元】東京都総務局統計部:東京の物価《 令和4年(2022年)3月分 (中旬速報値) 》
NUMBERO:Cost of living in Hanoi
Expatistan: Cost of living

スーパーマーケットでの金額を比較すると、ハノイの物価は東京の物価の1/2~1/3程度ということがわかります。特にお米や野菜などの農作物が安いですね。ちなみに市場の価格はさらに安くなります。

一方で、乳製品や卵は意外と高いということがわかりました。ベトナムにおける酪農の歴史はまだ浅く、需要に対して乳牛の数が少なく、生産量が足りないそうで、その状況が価格に反映されています。詳しくはこちらの記事より(https://globe.asahi.com/article/12869015)

生活必需品、日用品も割高なものが多く、トイレットペーパーや洗濯洗剤、シャンプーなどを例にとっても高い印象です。もちろん日本での価格と比べれば安価ではありますが、平均年収などの差と比較すると、決して安くはない金額であることはご理解いただけるかと思います。

外食費

続いて、外食費を見てみましょう。

ベトナム日本(東京)
平日ランチ(一食)約175~250円(35,000~50,000VND)500~1,000円
マクドナルドビッグマック(単品)約380円(69,000VND)390円
スターバックスカフェラテショート約300円(60,000VND)415円
ビール(500ml)約110円(20,000VND)587円
2022年5月のレートで算出。【参照元】東京都総務局統計部:東京の物価《 令和4年(2022年)3月分 (中旬速報値) 》
NUMBERO:Cost of living in Hanoi
VIETJO:ベトナムの物価

次は外食編です、まずは毎日のランチ代から比較していきたいと思います。表に記載のある金額は、一般的にベトナムの人たちがランチで食べているような大衆食堂を想定しています。ベトナムのランチでは、だいたい200円程度の価格感で食事をすることが一般的です。

日本では、東京などでは平均しても7-800円程度がランチの予算だと思うので、比較すると1/3〜 1/4程度かと思います。ここだけ見ると安価ではありますが、国同士の物価比較でよく用いられるようなマクドナルドのビッグマック指数、スターバックス指数を見てみるとそこまで安価ではありません。

各チェーン店でのブランディング戦略なども影響しているかと思われますが、毎年の国のGDPや最低賃金の上昇率の高さから、市場に対しての成長期待が価格に込められていることが推察できますね。その他、物価に関してはこちらこちらでも詳しく知ることができます。

私はここハノイで夫、子どもと3人で暮らしています。商品毎の価格差は日本と異なり、安いものとそうでないものが様々ありますが、体感として生活費は日本と比較すると1/2くらいかかっている感じがしています。数字を見ると安く感じますが、こちらでの給料を考えると決して安くはなく、むしろ収入に対する支出の割合は日本で生活するよりも大きいというのが現実です。逆に言えば、日本の物価は安かったんだと実感しており、日本のデフレという減少を一旦を海外から垣間見ています。

【参照元】wikipedia:List of countries with McDonald’s restaurants

ベトナム人の1か月あたりの生活費は?

インターネット上には、ベトナムで生活する駐在員、現地採用の外国人の生活費に関する情報は多数ありますが、ベトナム人の生活費の情報(特に日本語)はあまりないようです。今回は新卒2〜3年目のベトナム人ITエンジニアの観点で見ていきます!以下は、ベトナム統計総局が発表した2020年版家計生活水準調査の結果をもとに数値を出した結果と、日本における新卒2~3年目の社会人の生活費を比較したものです。

※前提条件

・ベトナムの数値は、都市部における1人当たりの1ヶ月の数値

・日本の数値は参照元データより総合的に考え出したもの

●収入

ベトナム日本
総支給額約58,000円(11,600,000VND)230,000円
所得税(日本は+住民税)約4,950円(990,000VND)13,300円
健康保険約870円(174,000VND)33,300円
社会保険約4,640円(928,000VND)
手取り額約47,540円(9,508,000VND)183,400円

総支給額に対して、手取り額がどれくらいになるのか調べてみました。ベトナムの所得税は累進課税制度となっており、5%から35%と総支給額に対して割合が変わります。上の条件で見ると、約63,800円(11,600,000VND)の月収の場合15%が課税率となり、個人控除額が750,000VNDと定められているため、所得税は約5,400円(990,000VND)となります。

ベトナムの健康保険は労働者負担1.5%、会社負担3%となり、社会保険は労働者負担8%、会社負担17.5%です。社会保険では、疾病手当、産休手当、労働災害・職業病手当、退職年金、遺族給付等が保証されます。ベトナム、日本ともに、総支給額に対しての手取り額は約80%となりました。税金や社会保険などの割合は大きな違いはないと言えます。

●支出

ここまで、物価についてお伝えしました。これまでのデータやベトナム統計総局のデータをもとに、ベトナム人の新卒2〜3年目のエンジニアの支出について考察した結果は以下の通りです。日本についてはこちらこちらを参考にし、私の実際の経験等も踏まえて算出しました。

ベトナム日本(東京)
家賃約15,000円(3,000,000VND)60,000円
水道・光熱費約2,000円(400,000VND)7,500円
食費約9,000円(1,800,000VND)36,000円
交際費(外食含む)約10,000円(2,000,000VND)28,000円
通信費(インターネット、携帯代)約1,500円(300,000VND)10,000円
交通費約2,000円(400,000VND)9,00 0円
その他約1,000円(200,000VND)20,000円
支出合計約40,500円(8,100,000VND)170,500円
日本の通信費、交通費に関しては、合算のデータよりおおよそで分割。

光熱費の比較ですが、日本での一般的な一人暮らしの使用料(電気154w/月、水道8.2m3)と仮定し、算出しました。ベトナムの電気代は、1kwあたり約2,000VNDなので、154kw×2,000VND=308,000VND、水道代は1m3あたり約10,000VNDなので、8.2m3×10,000VND=82,000VNDとなり、合計で約2,000円(400,000VND)となりました。

外食費、交際費は、平日のランチ代を含む金額となります。現地の大衆食堂で食べることを想定しているとはいえ、平日毎日支払うとなると大きな金額になりますね。通信費は家のインターネット代が200,000VND、携帯電話代が100,000VNDとしています。

交通費は、前項でガソリン代や交通手段について少し述べたものをベースに考えています。バイクの燃費は40km/Lなので、職場までの片道を10㎞と想定すると、1ヶ月で約400km(1日往復20km×20日)、400km÷40km/L=10L、27,000VND/L×10L=270,000VND/1ヶ月となります。プライベートで使用する分を考慮すると、1ヶ月の交通費の合計は400,000VND(約2,000円)ほどになると考えられます。日本は交通費が約10,000円なので、ベトナムでは1/5となり、バイク通勤によって節約ができています。

●手取り金額算出

毎月の手元に残る金額は大体以下の通りです。

ベトナム日本
収入(手取り額)約47,540円(9,508,000VND)183,400円
支出約40,500円(8,100,000VND)170,500円
手元に残る金額約7,040円12,900円

このような結果になりました。このような相場感なので、渡日前の準備に費やす資金を用意することが難しく、xseedsの企業様は支度金を出してくださることが多くなっています。これは本当にありがたいサポートです!

【参照元】

THÔNG CÁO BÁO CHÍ VỀ KẾT QUẢ KHẢO SÁT MỨC SỐNG DÂN CƯ NĂM 2020(ベトナム統計局 2020年版家計生活水準調査)

ベトナム税制,ASEANにおけるヘルスケア制度・政策調査(JETRO)

毎月固定でかかる電気代。一人暮らしの場合、電気代はどのくらいかかる?(LIFUL HOME’S)

一人暮らしの平均的な水道使用量を解説!地域ごとの料金違いや節約方法も公開!(Rooch)

終わりに

いかがでしたか?
今回は、ベトナムの物価や生活費などからお金事情について触れてみました。今回の調査結果から、ベトナムでは必ずしも物価が安いとは言えず、ものによっては日本とほぼ変わらないということがわかります。実際にベトナムの物価や生活費に対して抱いていたイメージとは異なる部分もあったのではないでしょうか。その国のお金事情から、生活の様子や文化、考え方などを知ることができます。今後もベトナム情報を発信していけるようにアンテナをはり続けていきます!

わたしたちの事業の内容やxseeds Hubに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

ABOUT US
大原歩美
幼少期から海外に興味を持ち、カナダ、フランス、オーストラリア、イランで生活する。 日本ではヨガスタジオのエリアマネージャー、留学カウンセラー、東証一部上場企業の社長秘書など多岐にわたる職業に従事。 脱公務員で現地企業に就職した夫、3歳の息子とともに2021年からベトナム生活を開始。 将来の目標は世界遺産全制覇。