学生から社会人へのマインドチェンジ!内定者特別授業

Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。
今回もご覧いただき、ありがとうございます!
これまで、私たちSun*が内定者向けに行っているサポートについてお伝えしてきました。
夏期講習や渡日までの学習計画フローなどのサポートについては以下をご覧ください。

今回は、IT講師チームが行っている内定者特別授業に参加してきましたので、その時の様子をお届けします!

  • 内定者特別授業ってどんなことをしているの?
  • 授業を行う意味は?
  • 講師はどんな人?

そんなことをお伝えしたいと思います。

xseedsの内定者向けフォロー

冒頭でもお伝えした通り、私たちはxseedsの内定者向けに以下のような様々なサポートを行っています。

  • 内定者研修
  • 学習計画フロー
  • 企業と内定者の交流
  • IT研修
  • 企業インターンのサポート

一つ目の「内定者研修」は、さらに以下のように3種類のサポートに分かれます。

①一般日本語チーム実施
これは、Sun*所属の日本語教師チームが行う、内定者全員が参加必須の日本語の授業です。各大学ごとにシラバスを作成し、レベル別や内容別の授業を行っています。

②内定フォローチーム実施
これは、TC(タレントコンサルティング)の内定フォローチームや、ハノイ工科大学(以下、HUST)の一般日本語教師が講師を務めます。
こちらも内定者全員が参加必須のセミナーで、月に一度行われ、内定から卒業までの期間で日本語・IT学習へのモチベーションアップ、日本についてより知ってもらうことを目的としています。
例えば、
「外国人が驚く!日本にしかない文化」
報連相(実践)」
「生活する上でベトナム人がよくあったミス」
などがテーマになっています。
日本人である私も、外から日本を見ることができるのでぜひ参加してみたいと思いました。
※まだお伝えしていないサポートの詳細については今後別の記事でお届け予定ですのでお楽しみに!

③IT講師チーム実施
今回お届けするのがこちらの授業の様子です!
次の章から詳細を説明します。

内定者特別授業の概要

特別授業の概要は以下の通りです。

対象 下記3つ全ての条件を満たす内定者
・授業を理解できる日本語力がある
・日本語教師の推薦を得ることができる
・事前課題を提出済みである
担当Sun* IT講師全員
目的以下について、学生が実践できることを目指す
・日本企業で働くための最低限のマナーの習得
・日本企業で働くための最低限のマインドセット
・これらをブラッシュアップし続けるマインドセット
期間1ヶ月に1度開催、1時間半~2時間 / 回
内容受入企業様へのヒアリングの内容から、「社会人スキル」について内定者の現状と企業の期待値を把握し授業内容を決定。

授業の内容は、毎回異なります。
過去に行われたテーマを簡単にお伝えすると、

  • 不明点の聞き方
  • 視野を広げる
  • 自分の意見を言える
  • 業務改善の意見を出す

上記のものが行われ、学生は社会人になるうえで必要不可欠なことを学んできました。
私個人としても興味深く、もっと早く内定者特別授業についてアンテナを張っていれば全部参加できたのに…と、参加できなかったことを少し悔やんでおります。
私自身社会人になって十数年経ちますが、年齢を重ねるごとに自分のルールのようなものが出来てしまっています。
気づかない間に凝り固まった頭を柔らかくするために、こういった「初心に戻ることが出来る」授業に学生とともに参加することはありがたい機会だと感じました。
今回私が実際に出席した授業では、「学生から社会人へのマインドチェンジ」がテーマでした。

内定者特別授業「学生から社会人へのマインドチェンジ」

今回の授業の担当は、カイン先生です。

3人のママでもあるカイン先生。バリバリ働くママ、かっこいいです!

カイン先生は大学時代に日本語を学んでおり、卒業後はベトナムのIT企業を経て、Sun*ベトナムにIT Comtorとして就職しました。Sun*は日本企業との取引が多く、日本語を独学で学んでいるエンジニアが多数おり、カイン先生は、ボランティアで同僚に日本語を教えてもいました。そこから教育の重要性や面白さを感じ、現在のIT講師に繋がったと教えてくれました。
見た目はとても優しくて柔らかい雰囲気ですが、授業では優しさの中にある学生への熱い想いが感じられ、時には厳しく気づきを与えていました。このテーマを選んだ理由をカイン先生に尋ねたところ、実際にxseeds Hubを利用した日本企業様からのフィードバックで以下のようなコメントを頂いたことが理由とのことです。

  • まだ学生の雰囲気があり、仕事に対して受け身なことが多い
  • 学生と社会人のマインドの違いを早い段階で教えてほしい
  • ITスキルは高いけど、マインドの部分がまだ追い付いていない

授業の冒頭で、
「マインドは一朝一夕で変えられるものではありません。
 マインドというのは、今まで時間をかけて身に着いた考え方だからです。
 そのマインドを完全に変えるには、2時間授業では時間が足りません。
 この授業では、マインドを切り替えるというよりマインドを切り替えるための心の準備に重きを置きます。
 つまり、今日の授業が皆さんが今持っている学生のマインドから社会人のマインドにチェンジするきっかけになることが目的で 
す。」
と説明がありました。
考え方のきっかけを与え、学生がこれから自分自身でマインドチェンジしていくことができるようにするということが目的ですね。
今回参加した19名の学生はまず、授業の最初に、45分間で15通りのケーススタディに対して自分の考えをまとめ、その後参加者全員で話し合いました。
その中で、様々な意見が出たものや、学生らしい回答があったケースを3つご紹介します。

ケーススタディ その①

学生A

上司の評価が厳しすぎると思います。
遅刻もしていないし、与えられたタスクも全てやってきたのに、ランクや給与が上がらないのは厳しいです。

カイン先生

そういう考え方の学生は多いと思います。
ここで考えてほしいのは、上司は皆さんの何を評価するのかということです。

学生B

求められたタスクを完了するだけではなく、それ以上にパフォーマンスすることで評価されると思います。

カイン先生

期待以上のことを行うことで評価されるということですね。
社会人になると、個人の能力やスキルの高さも重要ですが、その人か会社に利益をもたらすような成果を生み出せるかどうかが重要になります。

学生C

私はまだ、「会社に利益をもたらす」という考え方を持っていませんでした。

カイン先生

学生と社会人のマインドの違いですね。
社会人になったらそのような考え方ができるようにしましょうね。
自分が取り組んだことが会社の利益に繋がるかどうかということは、私も社会人になってから常に意識していることのひとつですが、学生の時にこのような考えが出来たかというと、全く出来ていませんでした。
参加学生のほとんどが、このシチュエーションから初めて学んだことだったのではないでしょうか。

ケーススタディ その②

学生A

私は一週間前の報告で十分だと思います。
一週間あれば自分は準備ができます。

カイン先生

自分の準備のことだけを考えますか?

学生B

私は一週間前の報告では遅すぎると思います。
なぜなら、一週間では引き継ぎ時間が足りないからです。
二週間前の報告が必要だと思います。

カイン先生

そうですね、自分の準備だけではなく、チームメンバーへの引き継ぎも必要ですね。
休む時には、様々なことを考える必要があります。
まずは時期。
このケーススタディとなっている12月は繁忙期です。
繁忙期とは、仕事の依頼や注文、来客などが多く忙しい時期のことを言います。
その反対の時期は閑散期と言います。
まとまった休みを取りたい場合は、出来れば閑散期に取るべきです。
また、もし同じ時期に休みたい人が自分以外にもいたらどうなりますか?
プロジェクトが滞る可能性がありますね?
様々なことを考えると、一週間前では遅すぎると気づくと思います。
遅くても一ヶ月前、できれば二ヶ月前には上司へ相談や申請をするほうがいいと思います。

学生A

自分のスケジュールだけではなく、いろんな状況を考えて早く上司に相談するようにします。

どのくらいの時期に上司に相談するべきか、アルバイトを経験している学生であれば社会人になる前に学ぶことかもしれません。
こちらにあるように、アルバイトをしているベトナム人大学生の多くが、週に5時間以下の労働という結果が出ています。
これは私の推測ですが、おそらくベトナム人学生の場合は単発のアルバイトが多いのではないかと考えます。
日本人大学生の場合はこちらにある通り、多くが週に11~15時間ほど働いているそうです。
勤務先へシフトの相談をするという経験が日本人学生と比べてベトナム人学生は少ないのではないでしょうか。
それが今回のケーススタディの回答に繋がったのかもしれません。
これをきっかけに、自分が仕事を休むことで事前にどんな準備が必要なのか、どうしたらチームメンバーに迷惑をかけずに長期の休みを取得することが出来るのか考えることができるようになったと信じています!

ケーススタディ その③

カイン先生

皆さん、シチュエーション6を考えてみましょう。
シチュエーション5で同僚のGiangがタスクをうっかり忘れていたことに、隣にいたHungさんは気づきましたね。
もしあなたがHungさんならこのあとどうしますか?

学生A

仕事において、チームワークや助け合いが大切です。
自分が残業してでも助けたほうがいいと思います。

カイン先生

確かにチームワークは大切ですね。

学生B

私だったら、助けてくださいと言われれば助けますが、何も言われなければ助けないと思います。
なぜなら、自分にもタスクがありますし、忙しいときは手伝うことができません。

カイン先生

その日Hungさんは自分のタスクは終わりそう、17:00に退勤しようと考えていますよ?

学生B

うーん…
Giangさんが手伝ってほしいと思うならHungさんに声を掛けると思います。
だから、声を掛けられたら手伝います。

カイン先生

つまり、条件付きで手伝うということですね。
それは、社会人としての正しいマインドでしょうか?
日本企業様からもらったフィードバックにも「まだ学生の雰囲気があり、自ら周りの人を助けたり、進んで行動しない人もいる」とありました。
大切なのは、自ら考え行動することです。
例えば、他の人が困っていることに気づいたなら積極的に声をかけるべきだと思います。
他のケーススタディにもあったように、言われたことだけをやるというのは社会人では通用しません。

学生B

他の人から求められなくても、自分から言った方がいいんですね。
もし自分が同じ状況になったら、「手伝いましょうか?」と声を掛けるようにしようと思います。

カイン先生

そうですね。
その一言があるだけで、温かいサポートがあると相手が感じることができ、心強くなるかもしれません。
今後のチームワークの向上にも繋がりますね!

日本人は空気を読むという力に長けていると思います。
わざわざ言葉にしなくても周りの状況から自分がどう行動すべきか察します。
この特殊な文化をベトナム人学生に完全に理解してもらうということは難しいかもしれませんが、日本にはそういった文化があるということ、また受け入れ企業様にはそういった文化は日本特有のものということを理解していただき、双方が歩み寄ってチームワークよく働けることが理想ではないでしょうか。

カイン先生へインタビュー

今回の特別授業後にカイン先生へインタビューし、授業のテーマを決めたきっかけやxseedsの学生への想いを伺いました。

この授業のテーマは先生が考えたものですか?

そうです。
まず最初に、学生に足りていないことは何か考えました。
この授業の目的でも話したように、ベトナム人学生の就職先である日本企業様から「ITスキルは高いんだけど、まだ学生感が抜けていない…」というお話をよく聞くので、学生と社会人のマインドの違いをテーマにしようと思いました。

事前にそれを学ぶことで、日本就職の時に戸惑いも少なくなりますね!
カイン先生がxseedsの学生に今後どんなことに取り組んでほしいか、どうなってほしいか教えてください。

なぜこの授業を行うのか、そういったことをしっかり考え、きちんと目的意識を持って取り組んでほしいと思います。
仕事をするということは、ITスキルだけではなく、考え方やビジネススキルも必要になります。
それを学生時代に知り、理解することで必ず就職後に役に立ちます。
ぜひxseedsの学生には日本で頑張ってほしいと思っています!

確かに、私も社会人になってから「もっと大学の時に将来を見据えて授業を受ければよかった」と思うことが多々あります…
それを学生自ら今の時点で気づき、目的意識を持って学ぶことで将来必ずプラスになりますね!
カイン先生、素敵な授業をありがとうございました!

終わりに

いかがでしたか?
今回は、IT講師チームが行っている内定者特別授業の様子をお届けしました。
ITスキルだけではなく社会人としてのマインドを養うために、xseedsの学生は日々様々なことを学んでいます。
ベトナムで育った学生たちは、なかなか日本人特有の考え方を理解するのが難しかったり、学生と社会人の違いを学ぶ環境がなかったり、日々考え方の違いに戸惑いながらも精一杯学んでいます。
少しでも日本就職時に学生が気持ちよく働けるよう、また、日本の企業様にITスキルだけでなくマインドも素晴らしいと思っていただけるよう、私たちSun*教育事業部一丸となって今度もあらゆるサポートを行っていこうと思います。
今回お伝えしきれなかったその他のサポートについても今後発信予定ですのでお楽しみに!

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それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)