【ベトナム人学生を紹介】日本語力もITスキルもトップレベル!持ち前の向上心で日々成長中の学生プログラマー

「漠然とした気持ちでHEDSPIコースを選びましたが、授業やインターンを通して
コーディングやチームでのプロジェクトの楽しさにハマっています!」

そう語ってくれたのは、日本企業に内定済み、現在はハノイ工科大学の5年生(最終学年)でSun*ベトナムにてインターンを行っているズオンさんです。

Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。
今回もご覧いただき、ありがとうございます!
先月から始まった大好況企画、

新シリーズ「ベトナム人学生を紹介!」

の第2弾をお届けします。
今回は、前回のタインさんと同じプロジェクトチームに所属し、開発を担当するズオンさんにインタビューしました。
※タインさんのインタビュー記事は以下からご覧ください。

タインさんのインタビュー記事でもお伝えした通り、ズオンさんも以下のような素晴らしい経験、スキルをお持ちです。

  • コンピューターサイエンスを理解している
  • モダンな開発言語、開発フレームワークを勉強している
  • 開発プロジェクトを実践レベルで経験している

穏やかな声の奥にITへの熱を感じさせるズオンさん。
インタビューでは、インターンを通して学んだことや仕事をする上で気を付けていること、将来の目標などを語っていただきました。
どうぞご覧ください!

日本やITとの出会い

ズオンさんはJLPTのN2をいつ頃取得しましたか?

N2は昨年2020年の7月に取得しました。
大学卒業後にN1を取得することが目標の一つです。
渡日後に日本企業で働くことでさらに日本語力を向上させることができると思うので、勉強も頑張ろうと思います。

努力家ですね!ズオンさんはいつから日本語を勉強し始めたんですか?

本格的に勉強を始めたのは大学入学した後ですが、日本語に初めて出会ったのは12歳くらいです。
その時、ドラゴンボールやワンピースのアニメを見ていました。
言語は日本語で字幕がベトナム語だったので、日本語がわからなくても内容は理解していました。

日本語との出会いは子どもの時だったんですね。では、ITとの出会いはいつ頃だったんですか?

具体的には12年生(日本の高校3年生に相当)の時でした。
進路を考えているときにITに進もうかなぁという軽い気持ちで考えていたのが正直なところですが。。。
実は、11年生(日本の高校2年生に相当)の時にはベトナム軍の大学に入りたいと思っていました。
そこに入ると体を鍛えられるだけではなく、他の大学のように勉強もでき、学費が無料な上に少し給料も支給されるんです。

日本の防衛大学校のようなところがベトナムにもあるんですね!
でも、その軍の大学ではなくITの道に進もうと思ったんですか?

その大学に入学するには健康診断や運動能力チェックがあるんですが、残念ながらそれをパスすることが出来ませんでした。
その後どの大学に行こうか迷っていた時に、将来性があるITを学ぼうと思ったのと、漠然と日本で働いてみたいと思い始めて、最終的にHEDSPIコースのあるハノイ工科大学(HUST)に入学しました。

HUSTの勉強は大変ですか?

大変ですね(笑)
予習も復習も大変だったので、大学1年生の時は一日中大学にいて勉強していました。
実践IT授業が好きなんですが、例えば松浪先生はいつもとても熱心に教えてくれる先生です。
※松浪先生の夏期講習の様子はこちらは

今Sun*でインターンとして参加しているプロジェクトのPMでもある、IT講師の平田先生もいい先生です。
厳しいところもありますが、ユーモアがある先生なので、教室の雰囲気をとても明るくしてくれます。

Sun*のインターンについて

好きな先生がインターンではPMとして関わっているんですね。
インターンではズオンさんはどんなことを行っているんですか?

私は前回インタビューを受けたタインさんと同じプロジェクトのメンバーで、SchoolerというLMS(Learning Management System)を作っていて、チーム内で主にプログラマーとして開発を行っています。
フロントエンドはReact、redux-saga、バックエンドはPHP、フレームワークはLaravelを使用しています。
これらのスキルは、大学の授業で学んだり、実践IT授業でも学びました。
大学内のプロジェクトとして、学んだプログラミング言語で簡単なゲームを作ったりもしました。
私はプログラミングが好きなんですが、その中でもPHPが好きです。
PHPには多くのフレームワークが存在していて、フロントエンド側でもバックエンド側でも使えるのは便利だと思うので、特に私はMVCモデルのひとつであるLaravelを使っています。

授業で学んだことをインターンとして実践で使用しているんですね!

はい。
ですが、インターンを初めて1ヶ月くらいの時は大変でした。
例えばフロントエンドで使用している3つの言語はHUSTでは4年生から学び始めるんですが、インターン開始直後はまだ授業で少し学んだ程度だったので、学校の授業以外でも独学で勉強したりもしました。
私の場合、何かわからないものがあったときはまずgoogleで検索をするんですが、その答えがViblo(※1)というエンジニア向けナレッジ共有サイトに書いていることが多いのでよく利用しています。

※1:日本で言うQiitaのようなサイトで、弊社CEOの小林も以下で語っています。
   ホームレスから1500人規模の社長に–スタートアップを照らすSun Asterisk小林氏

このサイトは母語であるベトナム語で書かれているのでわかりやすいです。
Vibloでもわからないものについては、プログラミング言語そのもののウェブサイトを見ることもあります。
また、わからないことがあっても、SchoolerのプロジェクトメンバーであるSun*の開発担当者や、一緒に行っているインターンの仲間が親切に教えてくれたので感謝しています。
前に、コーディングが終わった後にGitHubにソースコードをアップしたんですが、プルリクエストに関しての管理方法がわからないことがありました。その時Schoolerのチームリーダーに聞いたらCI/CDツールを使うことでソースコードを適切に管理できるようになり、すぐに解決することができました。

いいチームですね!インターンをしていて充実していたり楽しいと思う時はいつですか?

うーん。。。難しい質問ですね。
インターンをしているときはいつも楽しいので、一つ選ぶことはできないです(笑)

いつも楽しいんですか!?インターンが充実している証拠ですね。
例えば、どんなことが楽しいと思えるんでしょうか?

Sun*VNオリジナルの法被で記念撮影するズオンさん

コーディングも楽しいですし、チームメンバーと一緒に一つのプロジェクトに取り組むことが楽しいです。
今、大学の卒業プロジェクトとして、Linkedinのようなウェブサイトを一人で作っています。
プログラミング言語はPHPとJavaScript、フレームワークReact.jsを使っています。
サイトの内容を具体的に説明すると、仕事を探している学生や転職活動をしている人と、人材を探している会社を結び付けるサイトです。
個人のページには趣味、大学での成績やプロジェクト、インターン情報などの他に、今仕事をしている人は行っている仕事内容やスキルなどを載せることができます。
人材を探している会社は必要なスキルや経験を持った人材を検索することができます。
このアイディアは大学のある先生が言っていたものなんですが、面白いなと思って作ってみようと思いました。
まだ完成していないのですが、マッチングシステムなども追加したいと考えています。
卒業プロジェクトも楽しいのですが、このプロジェクトは一人で行っているので、チームワークがいいチームで行う今のインターンプロジェクトの楽しさを余計に感じます。

なるほど!ズオンさんがチームワークよく働く上で気を付けていることは何ですか?

仕事をするときに、自分だけのことに集中するのではなくチームメンバーのことを意識するように気を付けています。
例えば、自分が取り組んでいるタスクを進めながら、チームメンバーは今何に取り組んでいるのか、その進捗はどうかを知るように意識しています。
そうすれば、もし誰かが困っているときに自分が知っていることを伝えることでチームとしてのスピードがあがるかもしれません。
私だけではなくこのプロジェクトメンバーは全員がお互いにサポートしあったり確認しあったりしているので、チームワークがいいんだと思います。

いいチームに恵まれているからこそさらに楽しさを感じているんですね。
大学で学んだことでインターンに役立っていることは、コーディング以外にどんなことがありますか?

やはり日本語です。
大学1年生の時から勉強してきた成果が、PMの平田先生と話すときに役に立っています。インターンとして実践的な日本語会話の経験を積むことで、さらに日本語力が伸びたように思います。

日本就職後にはきっともっと日本語力が伸びますね!

そうなるように頑張ろうと思っています。
最初に「渡日後にN1を取りたい」とお伝えしましたが、本当の目標は渡日前にN1を取ることです。
就職後は忙しくてなかなかJLPTの勉強をする時間が確保できないかもしれません。
ベトナムにいる間に出来る限り勉強をしてN1を取ることがベストだと思います。

今後日本語以外で勉強したことや将来の目標はありますか?

AIにも興味があるので、いつかAIの携わるプロジェクトを行いたいです。
AIに興味を持ったきっかけは日本のロボットや自動運転技術がすごいと感じたことです。
具体的にはまだ考えていませんが、いつか自動運転のプロジェクトがやりたいと思っています。
自動運転技術によって事故が減ると思うので、いつかその技術をベトナムでも導入したいです。
それとは別の目標として、BrSE、PMになりたいと思っています。
そのためにも日本語やITスキルなど、これからも勉強し続けるつもりです。

大好きなお父さんと記念写真を撮るタインさん

ズオンさんの向上心の強さなら、必ず目標を達成できると思います。
インタビューの機会をいただきありがとうございました!

PMの平田先生からメッセージ

タインさんのインタビューに続き、インターンとして参加しているSchoolerのPMである平田先生よりメッセージをいただきました!

『ズオンさんは学校の授業や自己学習で習得した技術やスキルを使って、インターン開始した当初からすぐにプログラマーとして活躍してくれていました。
それだけでなく日本語力も高く、技術的な内容も日本語で私に報告や相談できていました。
ただ、あまりにも技術者的な考えが強く、システムの改善や新しい機能の開発において仕様を考える際に、開発コストが低い案やチームとして経験があることからより安全な案を強く推進しようとする傾向があり、UXやユーザを軽視した考えを主張することがありました。

そんな彼も1年近く経った今では、どうすれば、ユーザに使いやすい機能がつくれるのか常に考えて、仕様案を提案してくれるようになりました。
この経験を通してわかったことは、技術志向の学生たちはときより技術を使って世の中に貢献するというより、技術を追求したいというようなことを主張するということです。
ですが、これはユーザに向けたサービスを作った経験がなく、前者のような考えのすばらしさや重要性を知らないだけであり、彼ら自身の根本的で不変のマインドではないということです。
現に彼は私やチームメンバとの対話を通じてマインドをアップデートしたことで、持ち前の能力と相乗してさらに活躍してくれているので、学生の志向性を1回の言動だけで判断するのはもったいないと強く感じました。

先ほども触れましたが、彼は日本語自体はすごく上手で、私の質問に対して言葉にしていない真意すら感じ取って返答してくれます。
ですので、口頭での受動的な質疑応答では、高いコミュニケーションと説明能力を発揮してくれます。
ただ、これが文面でしかも彼が能動的に説明する際には、言葉や情報が足りずこちらが理解できないことが多いです。
この傾向はベトナム人だけではなく、日本人でも地頭がよい人に多いので、彼に改善しろと言うのは少し酷ではありますが、将来日本で働く際にこのような簡単なミスコミュニケーションで彼の評価を下げてほしくないと思っています。
彼の説明が足りない部分は、私が細かくヒアリングしているつもりですので、自分の説明で何がたりないのか感じ取って改善してくれれば良いと思っています。』

平田先生の厳しくも温かいメッセージ、どうもありがとうございました!!

終わりに

いかがでしたでしょうか。
今回は、ベトナムの優秀な学生を紹介するシリーズの第2弾として、Sun*ベトナムのインターン生、ズオンさんにお話を伺いました。
ズオンさんは現状に満足せず、とても謙虚な姿勢と向上心を兼ね備えた学生でした。
インタビューを通して私自身が多くを学ばせてもらった気がします!
実践IT授業や内定者研修、一部の学生はSun*ベトナムでのインターンを通して、日本就職前にさまざまなことを学び、技術面のみだけではなくチームで働く上での即戦力の人材に成長しています。
今後も「IT×日本語」の素晴らしいベトナム人学生を紹介していきますのでお楽しみに!

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ABOUT US
大原歩美
幼少期から海外に興味を持ち、カナダ、フランス、オーストラリア、イランで生活する。 日本ではヨガスタジオのエリアマネージャー、留学カウンセラー、東証一部上場企業の社長秘書など多岐にわたる職業に従事。 脱公務員で現地企業に就職した夫、3歳の息子とともに2021年からベトナム生活を開始。 将来の目標は世界遺産全制覇。