未来のQAエンジニアを目指す!品質保証講座 最終授業

Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。 
今回もご覧いただき、ありがとうございます!

Sun*は海外産業人材育成協会(通称AOTS)の協力のもと、特別講座を開催しています。
過去にAI特別講座の様子をお伝えしましたが、そちらも合わせてご覧ください。

2022年1月から始まった特別講座である「品質保証講座」の最終授業が先日行われたので、今回はその様子をお届けします!

  • 品質保証講座ではどんなことを学んできたか?
  • 最終課題と学生の発表の様子は?

をみなさんにお伝えできればと思います。

品質保証講座とは?

Sun*がxseedsの学生(今回はハノイ工科大学、ベトナム国家大学の学生)を対象として開催した特別講座です。1日4時間、合計7日間行われました。
詳細はこちらの記事からぜひご確認ください!

参加学生は、ITプロダクト開発における品質保証の基礎知識の習得を目標に、これまで過去6回の講義を通して「JSTQB FoundationLevel」に沿った内容を学んできました。
そして、学生が学んだことの集大成としてグループワークに取り組みました。

最終講座 グループワーク

最終講座では岡迫先生から出された課題に対してグループワークを行うというものでした。
課題の概要やルールは以下の通りです。

課題

飲料品の自動販売機が対象プロダクト。
それに対して、テスト観点や仕様、要件の確認事項(例えば、紙幣を投入した時に正しく作動するか等)についてグループごとに検討し、それらを発表する。

グループ分け

 A~Dの4チーム(各チーム3~4人)

テスト観点や不明点について記載する際に使用する言語

 日本語

テスト対象プロダクト

テスト対象プロダクトの仕様、要件、前提条件

  • 自動販売機で使用できる紙幣(VND)は1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000の6種類とする。
  • 1,000、2,000、5,000、10,000、20,000、50,000の各紙幣(VND)は、自動販売機への投入後は返却されない。
  • 100、200、500、100,000、200,000、500,000の各紙幣(VND)は、自動販売機に投入できない。
  • 飲料品の価格は全て10,000VNDとする。
  • 投入した金額が10,000VND以上の場合、飲料品が購入できる。
  • 自動販売機に投入された紙幣(VND)は、一定時間の経過後に回収される。
  • 投入した金額が20,000VND以上の場合、複数の飲料品が購入できる。

上記をもとに、参加学生たちのグループは積極的に議論を行っていました。。
また、岡迫先生、通訳のヒエンさんは、各グループの議論の内容をエンジニア目線で確認していました。

学生の議論の様子を確認する岡迫先生とヒエンさん

学生たちは今まで学んだ内容をもとに課題に取り組んでいました。
あるグループでは、一人の学生が「お金を投入して確認すること」について提案し、そこから「ベトナムドン以外のお金を入れるのはどうか」や「2枚以上のお金を一緒にいれるとどうなるか」など、幅広い議論になっていました。一人の意見や考えが他者に刺激やさらなるアイディアを与え、答えがどんどん広がっていくということがグループワークの醍醐味ですね! それを岡迫先生やヒエンさんは感心しながら聞いていました。

実際にグループでまとめていたテスト観点や仕様、要件の確認事項

上記はそのグループがまとめたものです。
今まで勉強した観点でテストケースが出ています。
過去6回の講座を通して理解していたことを、この解答から感じることが出来ました。 
また、学生たちが日本語でしっかり解答している様子を見て、「学生のみなさん、日本語力高いですね!」と私から岡迫先生に思わず話しかけてしまいました(笑)彼らのような「IT×日本語」の人材が今後日本で活躍してくれるということも改めて感じました。

最終講座 学生の発表と岡迫先生の模範解答

あるグループの発表は以下のようなものでした。

学生グループ

まずお金の確認をします。
例えば、破れたお金、偽造されたお金、外国のお金を入れてエラーが出るかや、同時に複数の紙幣を入れたらどうなるか、最初の紙幣を入れてから長時間経過するとtimeoutになるかテストします。
次に、金額の計算について確認します。
具体的には、計算や投入金額の表示の正確性の確認です。
他には、飲み物が出てくるか確認します。
ここでは、選んだ飲み物が正しく出てくるのか、無事取り出せるか、在庫切れの飲み物を選んだ場合にどう動くかなどを見ます。
また、入力した番号が正しく表示されているかなどの確認も必要です。

岡迫先生

素晴らしい!
明日からぜひQAエンジニアとして働いてほしいくらいです!
ここで模範解答として、私が考えた仕様、要件の確認事項のサンプルをお見せします。

岡迫先生

まず、大きく分けて「飲料品を購入できる」「飲料品を購入できない」の2つのパターンで考える必要があります。
そして、パターンに分けた後、以下のようにそれぞれのパターンのバリエーションについて考えます。上記それぞれのテスト観点に対して、仕様や要件の確認、例えばVND以外の外貨を投入した場合、自動販売機はどのような動作をするかなどを確認する必要があります。
みなさんの解答を聞いて「なるほど、その観点も必要だな。」と私自身気づくことがありました。
ということから考えて、仮に私に十分なスキルや経験があったとしても、一人でできることには限界があるということです。講義の中でお伝えしたようにレビュー作業を複数人で行うということは、テスト対象に対する一人一人の異なる考えを合わせることで、テスト対象に対してより広いエリアをカバーできるということになります。それらは結果的に品質の向上に繋がります。私が提示した模範解答がすべてではなく、皆さんの中にもたくさん良い解答があったので、自信を持ってください。今皆さんに行ってもらった作業が、QAエンジニアがテストケースを設計するプロセスになります。

このグループの解答は一例ですが、どのグループも3~4人のグループメンバーで出し合った幅広いテスト観点を発表していました。
上にもあるように、岡迫先生は学生からの発表を聞くと「明日からぜひ私に変わってQAエンジニアとして働いてほしい」というほど、QAエンジニア目線で出された答えだったことがわかりました。
学んだ内容がしっかりと活かせたということになりますね!

グループでまとめた内容を発表する様子

岡迫先生からのメッセージ

講座の最後に岡迫先生から参加学生へ次のようなメッセージがありました。

「新型コロナの影響でオンライン開催で始まった品質保証講座ですが、最終講座はオフラインで開催出来て良かったです。特に最終講座はグループワークを行ったことで、皆さんの反応を目の前で感じることが出来ました。
今後学生の皆さんは様々なIT関連の仕事に就くと思います。
その中にはいろいろな職種が存在し、QAエンジニアという職業もその中のひとつです。ITプロダクト開発において品質保証は重要です。それを担うのがQAという職種になります
ITプロダクト開発のプロセスの中には品質保証という考え方があり、それが正しく機能しないと、ITプロダクト開発全体に問題が起こるということについて、改めて知っていただけたらと思います。」

品質保証講座 参加学生の感想

約2か月間の講義を経て、最終的に14名の学生が本講座の修了証書を取得しました!
講座終了後に参加学生へアンケートを取ったところ、14名全員が講座の内容に「満足」と回答してくれました。以下のような理由が挙げられています。

  • 普段の授業では学べないものが多かった
  • 演習や実技などが多く実践的に学ぶことができた
  • 実際に仕事の現場で活躍している人から直接指導を受けることができた
  • 日本の技術(日本企業/日系企業の有する技術)について知ることができた
  • 今後の自分のビジネス・キャリアを考える上で、更に何を学ぶ必要があるかその方向性が理解できた

ベトナムでは、ITプロダクト開発における品質保証を学ぶ場所や機会が少ない現状があること、また日本および日系企業への就職を目指すベトナム人学生が品質保証を学ぶ機会を提供したいという岡迫先生の想いから、本講座の開講に至りました。
このような取り組みを実施することは、今後のSun*の発展のみならず、日本やベトナムを含む世界のITプロダクト開発業界の発展にも必要だと考えています。

アンケートの結果から、参加学生の皆さんには私たちSun*の思いが伝わったと感じています。また、この講座を通して、日本の技術や日本企業に対する学生の皆さんの関心が高まっていることを願います!
今回受講した学生はハノイ工科大学とベトナム国家大学ハノイ校に通う3年生です。大学の授業以外にも積極的に参加している学生を見て、向上心や先を見据える力のある学生が多いように感じました。彼らの新たなスキルの習得に向けて努力する姿を目の当たりにしたことで、私自身も頑張ろうと刺激を受けました。
学生を取材するたびに自分の気持ちもフレッシュになる気がします(笑)
学生の皆さん、ありがとうございます!

終わりに

いかがでしたでしょうか。
今回はAOTSのサポートのもとで開講した品質保証講座の最終日についてお届けしました。
コロナ禍のためオンラインで始まりましたが、最終日には無事オフラインでの開催となり、運営一同とても嬉しく思います。
当初は2020年からの開催を予定していたこともあり、参加した学生の皆さんや私たち運営側も「やっと開催できた」という安心感や思い入れの強い講座となりました。
AOTS関連の特別講座はこれまでに4種類(AI、サイバーセキュリティー、ブロックチェーン、品質保証)開講しました。
今回の講座で一先ず終わりを迎えましたが、学生のスキルアップのために私たち教育事業部として新たな何かを提供できるように、これからも模索し続けていきます!

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ABOUT US
大原歩美
幼少期から海外に興味を持ち、カナダ、フランス、オーストラリア、イランで生活する。 日本ではヨガスタジオのエリアマネージャー、留学カウンセラー、東証一部上場企業の社長秘書など多岐にわたる職業に従事。 脱公務員で現地企業に就職した夫、3歳の息子とともに2021年からベトナム生活を開始。 将来の目標は世界遺産全制覇。