アフリカ進出!ケニア国内トップランクの大学でトライアルコース開始!

アフリカはこれから間違いなく伸びるマーケットでもあり、
そこで挑戦できるケイパビリティがSun*には備わっていると確信しています。

はじめに

Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の茂木です。今回もご覧いただき、ありがとうございます!

これまでも私たちSun*が様々な国で教育事業をしている様子をお伝えしてきました。
それぞれの詳細については是非こちらをお読みください!
マレーシア教育事業 ※インドネシア教育事業 ※ブラジル教育事業Vol.1Vol.2

そしてこの度、ついにアフリカに進出することになりました!
アフリカでIT教育!?なぜアフリカなのか、どんなことをしに行くのか、アフリカ事業責任者の広瀬光氏にもお話をうかがってきました。是非最後までお読みください!

アフリカで教育事業の調査が始まりました!

経済産業省の委託を受けたデロイトトーマツの「アフリカの社会課題解決型のビジネス共創促進事業のモデル企業」に採択され、アフリカ(ケニア)における調査事業を開始しました。
本プログラムでは、ケニアのコンピューターサイエンスでトップランクの大学から学生を選抜し、無償のトライアルコースの提供を行っています。
プロジェクト自体は、2022年の4月頃から始動しており、トライアルコースは10月からの約2ヶ月間のカリキュラムで実施しています。

アフリカ市場の可能性

ナイロビのランドマークThe Kenyatta International Convention Centre

アフリカといえば大自然というイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、今デジタル起点での経済成長が世界から注目されています!例えば、日本のユニコーン企業が12社に対し、アフリカにはすでに7社です。ベンチャーキャピタル投資額は50億ドルを上回り、日本の投資額57憶ドルに追いつく勢いです。さらに、2020年から2021年にかけてテックスタートアップは3倍の約5,200社になり、その半分はフィンテックであり、従来の金融サービスを破壊し強化して40億~60億ドルの推定収益を出しています。アフリカで事業を行う日系スタートアップもあり、評価額10億ドルを超える企業もあります。また、すでにアフリカで展開している日系企業について、今後の事業は拡大または現状維持すると答えた割合が94.1%というJETROの調査もあります。

アフリカは若者が多く、また既得権益や規制が少ないので「本質のニーズ」に対してIT技術でソリューションを提供できる国なんです。そしてこのような経済成長に加え、今後2050年には、世界の4人に1人はアフリカ人になると言われているくらい人口が増加しており、マーケットとして絶対に見なければいけない国々なんです!

そんな可能性にあふれた国で私たちがどのように関わるのか、アフリカ事業責任者の広瀬光氏にお話をうかがいました!


【参照元】
Nairametrics “African unicorn: The most valuable startups by Africans you should know”
インベストメントブリッジ 【2022年】ユニコーン企業とは?日本で注目の企業12社はここだ!
JETRO アフリカの2021年VC投資は前年比3.6倍の52億ドル大型投資が増加2021年度 海外進出日系企業実態調査(アフリカ編)
Africa Business Partners アフリカビジネスの今

International Finance Corporation Internet経済は2025年までにアフリカへ$180BのImpactを与える
Techpoint africa アフリカにおける最先端のイノベーションについてGoogle CEOが語る
McKinsey&Company アフリカのフィンテックについて

アフリカ事業責任者広瀬さんにインタビュー

(今回インタビューに協力していただいた方)

広瀬 光(ひかる)氏

大学を卒業後、日本のIT企業へ就職しデジタルマーケティング事業に従事。
その後、社会課題解決に挑戦したい想いを抱きアフリカへ渡り、モザンビークの事業会社で現地法人の代表となる。
2021年、途上国/新興国へ教育を届ける活動を目指してSun*の教育事業(xseeds)に参画し、Sales企画や大学開拓などのミッションを担っている。

なぜアフリカ事業に手を挙げたんですか?

もちろん、マーケットとしてすごく魅力的だという前提もありますが、Sun*として必ずやるべき領域だとも思っているので手を挙げました。
私がSun*に入社した理由でもあるのですが、Sun*はビジョンとして明確に「世界平和」を謳っています。それだけでなく、それを体現する事業として教育事業を自社で抱えており、2,000名強の学生さんの教育に携わって、就職機会に繋げたり、その方たちの人生にポジティブな影響を産み出しています。こんな事をしている企業の存在はとても貴重だと思っています。

また、私個人の背景で言いますと、30歳の時にバックパッカーとしてアフリカへ渡り、モザンビークで2年弱ほど駐在していた経験があります。その時は、国連機関(FAOやWFP)主導の、農村部におけるサプライチェーン構築やマイクロファイナンスの事業に携わっていたのですが、教育の不足・重要性を目の当たりにしたのを覚えています。
複雑な社会背景や課題が交錯するのがアフリカの特徴でもありますが、これから間違いなく伸びるマーケットでもあり、そこで挑戦できるケイパビリティがSun*には備わっていると確信しています。そんな環境の中で、今回のプロジェクトの機会を頂けたことは、私自身とてもワクワクした気持ちで臨ませて頂いています。

今回のアフリカ事業、具体的には何をするんですか?

最も重視しているのは、ケニアのコンピューターサイエンス学部の学生がどの程度のレベルの技術を有しており、また、そのスキルが就職先となる企業にとってどの程度受け入れられるのか、を調査したいと考えています。
カリキュラム自体は学術的な要素が大きいものとなっていますが、授業への参加態度・意欲や、宿題の提出内容のレベル、グループワークにおける成果物などを検証する想定でいます。

アフリカ教育事業資料の一部

今行われている教育はどんな内容なんですか?

10月17日から初回の授業が始まっており、2ヶ月ほどの期間の中で、機械学習に関する特別カリキュラムを、36時間分のブレンデッドスタイルの授業として提供します。学生はYouTubeで事前に動画を見て学び、質問があればQAセッションで講師陣に聞いてもらう形です。
宿題も提出してもらって講師陣がチェックしますし、出欠席も確認しています。
大学は、コンピューターサイエンスでアフリカトップランクの

  • Jomo Kenyatta University Of Agriculture And Technology
  • University of Nairobi
  • Moi university

などを中心に、学生19名が参加しています。

授業で使用するテキスト

講師はSun*のR&Dチームという最先端の研究開発を行っているチームが講師陣として英語で行っています。
今回は単位認定コースではなく、民間企業として無料で行っている寄付講座ですし、学生としても強制ではなく任意なので、興味がある学生が受けているという感じです。

日本語の授業が無いというのは今までとは異なる教育事業ですよね。

今回は完全にテクニカルな内容に振り切って英語で教えています。
今までは日本就職を前提として日本語や日本で働く上で必要なマインド等の授業を行なっていましたが、今回は英語でのIT教育となっています。
アフリカという地が日本から遠く、加えて、ケニア国内での日本のプレゼンスがベトナムなどのそれと比べて圧倒的に低いんです。なので、彼らにとっては日本語を学ぶ意義が非常に少なく、わざわざ日本語を学んで日本に住んで日本企業に勤める、というのは難しいのかなと考えています。

就職機会はどうなるんですか?

アフリカにおける新たな就職機会の形

ケニアの学生さんの就職機会については、日本にある企業とアフリカにある企業の二つの軸で考えています。
日本にある企業の場合、一部の企業でエンジニアの公用語を英語にしていくというところもあるんです。なので、マーケットの今後の可能性を考えたときに、日本企業だけど日本語は喋れなくてもいいよ(英語でOK)という企業さんに紹介していくという道があるかなと考えています。
一方で、アフリカにある企業の場合は大きく分けて、地元のIT企業か、海外から進出してきているグローバルIT企業、そして、日本からアフリカに進出している日系企業の3つの選択肢があるかと思っています。ここにSun*が介在する価値としては、日本からアフリカに進出してきている日系企業を繋ぐことではないかと考えています。

その場合、日本国内のIT人材不足を補うという課題解決には繋がりませんが、よりグローバルな視点でIT人材を産み出し、社会に送り出すという取り組みになればと願っています。
ケニアや他アフリカ国においては、大学でITを学んでも、就職の一歩手前であるインターンの機会を勝ち取ることすら、熾烈な争いになっています。Sun*がこのシステムを構築できれば、アフリカ現地の学生さんがSun*経由で就職の機会を獲得しやすくなるというメリットがあります。アフリカに進出する日系企業にとっても、現地の事情を熟知した優秀なエンジニア候補生を採用することができます。

12月ついに現地調査がありました!

5日間の日程でデロイトトーマツさんと共に現地に行ってきました。(詳しくは第二弾の記事でお伝えします!)
今回の渡航時に学生さんにはプレゼン発表をしてもらいました。グループワークで、学んだ内容を元に実際の世の中にあるデータを使って、今回学習したAIのいくつかの技術の中から一つ選んでサンプルを作ってもらい、成果として発表という感じです。その結果がどうであれ、私たちはアフリカ進出をする前提なので、ケニアの大学の学生のレベルを知ることも一つの目的になります。
もう一つ、今回の結果を見て、すでにxseeds Hubのお客様になってくれている日本の企業様に紹介してニーズを探りに行くことも目的です。
私たちの教育事業は、大学や学生さんに対して無償提供する事を前提としていますが、民間企業が事業として続ける以上、どこかで収益を産み出し続ける仕組みが必要になります。理想と収益のバランスを絶妙にとっていきながらも、「だれもが」質の高い教育を受けられる世界観を創るため、しっかりと調査した内容を形にしていきたいと思っています。

今の時点で課題はありますか?

課題は大きく二つに分けて考えています。
一つ目は、日本のプレゼンスです。前述のように、アフリカのような遠い地の学生さんにとっては、日本のプレゼンスが相対的に非常に低く見えています。そのため、日本に渡航して、日本企業に就職するという従来のxseeds Hubの提示できるオプションは、彼らにとって魅力的には映らない可能性が高いです。その選択肢を排除して考えた時に、どのようなチャンスがあれば学生さんにとって魅力的なインセンティブになるのか、という点は考え続ける必要があります。
二つ目は、Sun*側の教育体制です。これまでは、日本語を基軸として日本就職を前提とした教育体制を注力して構築して来ました。しかし今回、ケニアで英語を中心としたカリキュラムを提供し、英語人材が求められる就職機会を模索しているように、日本や日本語の文脈をどう考えて行くべきかが問われています。日本にアイデンティティがある我々が、日本や日本語の文脈を疎かにする、というわけでは決してなく、今後の事業の中でどのように活かして行くべきなのかを考える必要がある、ということです。

この教育事業は今後どうなっていきますか?

調査をした後のスケジュールはまだ具体的には決まっていないんです。今回はトライアルで短期間の取り組みなので、大学側に次のステップのことを考えてもらうこともこの渡航時に必要になります。
私たちの想いとしては、今回ケニアの大学と良好な関係を築いて、次につなげていきたいんです。そうしたポジティブな回答を大学側からも得た上で、JICAや経済産業省のプロジェクトに採択されるよう一緒にプロポーザルを作っていく、などの連携ができることを目指したいです。例えば、2023年の春〜夏にかけて省庁のプロジェクト予算を大学と一緒に提案書を作って採択され、2024年から本格的にカリキュラムが開始されている、というようになればいいなと考えています。

最後に、広瀬さんの想いをお聞かせください!

改めてになりますが、Sun*は『世界平和』をビジョンに掲げており、私たちは、そのビジョンを教育の視点から体現したいと思っています。「誰もが価値創造に夢中になれる世界」を創るというSun*の理念に対し、「誰もが質の高いSun*の教育機会を享受できる世界」を実現したいと思っています。
別にアフリカに限定した話でもありませんが、アフリカ大陸には教育と雇用の機会が絶対的に足りていません。モザンビークでの駐在期間中、農村部で育った子が会社のメンバーにいました。彼は自分のキャリアアップのため、何か学びたいという明確な意思があるものの、私はそのための適切な手段を提供できませんでした。産まれも育ちも関係なく、学びたい意思、向上したい意欲のある人にとって、正しく成長できる学びに機会があることが理想的だと思っています。

xseedsの現在の事業の姿としては、大学にカリキュラムを提供することが主軸になっています。しかし今後は、この事業が大学だけに限られた世界ではなく、「教育を受けたい、成長したい、就職機会を得たい」と思っているすべての人たちに、Sun*の教育を届けられる、そのための布石の第一歩目とできたらいいなと願っています。

終わりに

いかがでしたか?今回はアフリカ進出についてお届けしました。Sun*教育事業部では全員が同じ方向を向き、教育から世界平和を実現するという大きな目標に向かって歩み続けています!今後ともご支援のほど宜しくお願いいたします。次回またアフリカの実態についてお知らせできればと思います。

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